11日は朝から夕方まで将棋会館の子供スクールのお手伝い。
奨励会の例会が日曜日になった関係で人手が足らなくなり、僕にお鉢が回ってきたというわけです。
理想としては奨励会員の人たちにやってもらいつつ、どうしても足りなくなったときに呼んでもらう感じが気楽でいいですね。経緯はどうあれ、奨励会員の仕事の場を奪う形になるのは極力避けたいので。
子供スクールは17時半頃に終了。そのあと軽くご飯を食べて、大和証券杯最強戦の準備を。対局室観戦人数の増え方を見て、やっぱり羽生-渡辺戦はみんなが見たかったんだなと実感。僕も楽しみでしょうがない。
19時過ぎ、解説の杉本七段が事務室へ。少しあとに羽生二冠が登場し、すぐにパソコンが用意されている別室へ移動。いつも通りの飄々とした雰囲気だ。作業している事務室と対局室は30秒ほど離れた位置にある。
20時。渡辺竜王の先手で対局開始。普段のパターンだと解説者のコメントを代わりに入力するのだが、杉本さんは「できるところまで自分で頑張ってやってみたい」と意欲的。素晴らしい。僕は隣でサポートという形に。
21時過ぎ。▲1三歩の局面で、後手の羽生二冠が秒読みに入る。そして、そのまま切れ負け。あまりの事態に場が凍る。杉本七段は青くなっている。
すぐに職員さんが走り、羽生二冠のところへ。すぐに戻ってきて「どうやら、普通に時間が切れてしまったようです」。マシントラブルでは無いようだ。
ここで米長会長から事務室に電話が入った。受けた職員さんによると、「観戦している皆さんに申し訳ないから、勝敗は決まったものとして継続できないか」という打診だったようだ。ひとまず立会いの杉本七段が状況を把握したあと、改めて会長に連絡することになる。
感想戦終了後に杉本七段が会長に電話。話し合いの結果、両対局者の同意があれば、(※1)後日にエキシビジョン対局してもらう方向でまとまったようだ。
電話の最中に、羽生二冠が「いや、やってしまいました・・・。すみません」と事務室へ。羽生二冠に話を聞きながら、どういう状況だったのか再現を試みた。
・盤面サイズは通常、ウィンドウは最大化されていた。
・着手確認に手間取ったわけではなく、マウスを動かしたときに突然現れた別ウィンドウを消すのに手間取った。
・羽生二冠によると、現れたのはウィンドウ上部の青い部分を右クリックすると出る【元のサイズに戻す、移動、サイズ変更、最小化、最大化、閉じる】というメニューだったような気がするとのこと。ただし、通常より大きなものが出たそうだ。
・羽生二冠のマシンでは△2七銀は着手されているが、送信されたのは時間が切れたあと。タイミング的にはギリギリだったようだ。
使用していたマシンとは違うもので試したため、その場での再現は出来ず。これは後日、職員さんが再現を試みることになった。
ただ対局中は盤面に集中していたはずなので、現れたウィンドウは間違いなく上記のものとは限らないと思う。色々テストして、今後出場する棋士の不安を取り除いてもらいたいですね。
終局図の形勢について羽生二冠に聞くと「少し・・・いいですよね?△2七銀以下▲6八飛△8六歩。そこで▲8三香と打たれて、先手玉が上部に来る展開になりそうかと。その先を考えているうちに時間が無くなってきて。まだまだ長い戦いになりそうです」
杉本七段が羽生二冠に後日の再戦について聞くと、「ええ、私は、はい。え?初手からですか。私としては続きからやりたいんですけど。ふふふ」。
後ろの部分は笑いながらだったので、優勢を意識していることを踏まえた冗談だと思います。さすがに続きからじゃ味が悪い(笑)
実際に再戦するかどうかは、(※2)理事会判断と諸々のスケジュールによると思います。実現したら嬉しいけれど、過度の期待をせずに待つことにしましょう。
【追記】
将棋連盟から「事実とは異なる」という指摘を受けました。
(※1)について、米長会長は即時指し直しを提案したが、システム上それは難しいということになった。
(※2)再戦を判断するのは、理事会ではなく大和証券杯のスタッフである。
とのことです。僕は米長会長と直接話したのではなく、その場での関係者の話を書いたので、行き違いが生じたようです。
奨励会の例会が日曜日になった関係で人手が足らなくなり、僕にお鉢が回ってきたというわけです。
理想としては奨励会員の人たちにやってもらいつつ、どうしても足りなくなったときに呼んでもらう感じが気楽でいいですね。経緯はどうあれ、奨励会員の仕事の場を奪う形になるのは極力避けたいので。
子供スクールは17時半頃に終了。そのあと軽くご飯を食べて、大和証券杯最強戦の準備を。対局室観戦人数の増え方を見て、やっぱり羽生-渡辺戦はみんなが見たかったんだなと実感。僕も楽しみでしょうがない。
19時過ぎ、解説の杉本七段が事務室へ。少しあとに羽生二冠が登場し、すぐにパソコンが用意されている別室へ移動。いつも通りの飄々とした雰囲気だ。作業している事務室と対局室は30秒ほど離れた位置にある。
20時。渡辺竜王の先手で対局開始。普段のパターンだと解説者のコメントを代わりに入力するのだが、杉本さんは「できるところまで自分で頑張ってやってみたい」と意欲的。素晴らしい。僕は隣でサポートという形に。
21時過ぎ。▲1三歩の局面で、後手の羽生二冠が秒読みに入る。そして、そのまま切れ負け。あまりの事態に場が凍る。杉本七段は青くなっている。
すぐに職員さんが走り、羽生二冠のところへ。すぐに戻ってきて「どうやら、普通に時間が切れてしまったようです」。マシントラブルでは無いようだ。
ここで米長会長から事務室に電話が入った。受けた職員さんによると、「観戦している皆さんに申し訳ないから、勝敗は決まったものとして継続できないか」という打診だったようだ。ひとまず立会いの杉本七段が状況を把握したあと、改めて会長に連絡することになる。
感想戦終了後に杉本七段が会長に電話。話し合いの結果、両対局者の同意があれば、(※1)後日にエキシビジョン対局してもらう方向でまとまったようだ。
電話の最中に、羽生二冠が「いや、やってしまいました・・・。すみません」と事務室へ。羽生二冠に話を聞きながら、どういう状況だったのか再現を試みた。
・盤面サイズは通常、ウィンドウは最大化されていた。
・着手確認に手間取ったわけではなく、マウスを動かしたときに突然現れた別ウィンドウを消すのに手間取った。
・羽生二冠によると、現れたのはウィンドウ上部の青い部分を右クリックすると出る【元のサイズに戻す、移動、サイズ変更、最小化、最大化、閉じる】というメニューだったような気がするとのこと。ただし、通常より大きなものが出たそうだ。
・羽生二冠のマシンでは△2七銀は着手されているが、送信されたのは時間が切れたあと。タイミング的にはギリギリだったようだ。
使用していたマシンとは違うもので試したため、その場での再現は出来ず。これは後日、職員さんが再現を試みることになった。
ただ対局中は盤面に集中していたはずなので、現れたウィンドウは間違いなく上記のものとは限らないと思う。色々テストして、今後出場する棋士の不安を取り除いてもらいたいですね。
終局図の形勢について羽生二冠に聞くと「少し・・・いいですよね?△2七銀以下▲6八飛△8六歩。そこで▲8三香と打たれて、先手玉が上部に来る展開になりそうかと。その先を考えているうちに時間が無くなってきて。まだまだ長い戦いになりそうです」
杉本七段が羽生二冠に後日の再戦について聞くと、「ええ、私は、はい。え?初手からですか。私としては続きからやりたいんですけど。ふふふ」。
後ろの部分は笑いながらだったので、優勢を意識していることを踏まえた冗談だと思います。さすがに続きからじゃ味が悪い(笑)
実際に再戦するかどうかは、(※2)理事会判断と諸々のスケジュールによると思います。実現したら嬉しいけれど、過度の期待をせずに待つことにしましょう。
【追記】
将棋連盟から「事実とは異なる」という指摘を受けました。
(※1)について、米長会長は即時指し直しを提案したが、システム上それは難しいということになった。
(※2)再戦を判断するのは、理事会ではなく大和証券杯のスタッフである。
とのことです。僕は米長会長と直接話したのではなく、その場での関係者の話を書いたので、行き違いが生じたようです。
実況のやり取りでは「着手確認のチェック」関係しか触れられていなかったので、「羽生さんともあろうものが何を今更・・・」という思いでした。
再戦見たくてしょうがないけど、あからさまにやると竜王の勝ちにケチを付けるイメージにもなりかねませんね。ここはじっと我慢で、近々他の棋戦(タイトル戦なら尚よし)で対戦があることを祈りましょう。
その時は中継担当、お願いしますよ(笑)
パソコンの前で固まったのは私だけでは無いはず。
最強戦のカードが発表されて以来、ずっとずっとずーーーーっと楽しみにしておりました。
昨日は、17時30分からログイン準備万端。あとは、開始まで自分のパソコンのネットワークが不慮の暴走をしないことを祈るのみで、2時間半。修行?。。
パソコンの前から離れなかった私としては、、、
真っ白な灰になりました。
ファンとしては、まったく事情がつかめずそのまま放置されて、どうしていいかわからない状況だったのですが、ごとげんさんの今日のブログで溜飲が下りました。
しょうがない!
起こってしまったこと!!
そう思えました。
本当にありがとうございます。
エキシビジョンも賛成です。
でも、
でもでも、、
こうなったらやっぱり羽生二冠には竜王戦で勝ち進んでもらって、今回の再戦を、最高の舞台で繰り広げてもらいたい、と切に祈るばかりです。
最後にひとつ。
大和証券杯は、プロの最高の将棋を、生でプロと同じ状況で楽しめる、ファンにとっては最高の棋戦だと思っています。
改善の余地はあるにしても、無くなるようなことだけは避けてほしいです。
(着手確認が出ている状態で時間切れになったら、強制的にその着手を指すようにすべき、という意見も出ていますよ^^)
そうですよね、他棋戦でもっと羽生-渡辺戦が実現してくれればいいんですよ。みんな見たがっているということが、今回の一件で一層表に出てきた感じがします。
>biyoriさん
僕も、現在のシステムは改善の余地が大いにあると思っています。要望はその都度、担当職員の方に伝えているので、それがどこまで反映されるのか。
ただ技術的には簡単でも、実行するとなると難しいということは多々あります。これはどこの世界でも同じですよね。
僕は記者という立場上、渡辺-羽生の竜王戦が見たいとは言えません。でも実現したら、きっとワクワクしてしまうんでしょうね。記者だって人間だもの(笑)
私も、上の方の意見に同意です。
ネット棋戦は重要かつ貴重なコンテンツ。
今後のネットの可能性の模索の意味でも、絶やしてはいけない重要な
棋戦だと思います。改善の方向でぜひ。
羽生二冠も、悪びれない様子がいいですね。
想定の範囲内のハプニングですが、この絶好のカードで起きてしまったのが残念。
でも、このブログのおかげですっきりしました。
ありがとうございます。
すごくすっきり。
ネット将棋はこれからもっと盛んになっていきそうだし、
こういう出来事が
改善点を明らかにしたり
あたらしいひとの注目を集めたりしていくことに
なるのかもしれませんね。
yahooニュース上位に出てくるんだから
ものすごく宣伝効果の大きな
クリックミスだったのかも
と思いました。
この対局を絶対に見逃さないために、朝7時からログインし、開始まで不意にきれないように決してパソコンにはさわりませんでした(笑)。
あそこでの切れ負けに驚きましたが、僕も会長と同じく勝敗度外視の指し継ぎを期待してました。
24もやるので、システム的に無理は知ってましたが、なんとかするんだろうと(笑)
ともかく原因がわかっただけでも非常に満足できて、感謝致します。ありがとうございました。
再戦案ですが、個人的には反対です。僕は羽生さんのファンなので、ただでさえ過密日程なのに、また対局が増えるのは負担が大きいような気がします。
ともかく羽生さんにはこのことを気にせず、これからいい将棋を見せて貰えれば嬉しいです。
PCのOSは、XPとかVistaでしょうか?
そうだとすると、デフォルトでは、様々なメッセージが不意に現れるようになっていますが、それらを全てOFFにしてあったのでしょうか?
たとえばXPでは、デフォルトでは、60日毎にデスクトップを整理するためのウィザードが自動的に走ります。対局時にはOFFにしてないと大変です。
また、Windowsの自動更新も、設定によっては、メッセージが出たり、不意に再起動を促されたりします。これも対局時にはOFFにしておくべきです。
さらに、ウイルス対策ソフトも入れているかもしれませんが、これも不意にメッセージを出したりしますので、対局時にはOFFにしておくべきです。
他に様々なアプリケーションを入れてあれば、それらの自動更新も対局時にはOFFにしておくべきです。Javaも同様です。
理想を言えば、新品のPCが5万円程度で買えるようになったのだから、対局専用PCを購入して、それにはアプリケーションもウイルス対策ソフトも入れず、上記のようなOSの自動機能も全てOFFにしておくべきです。対局にしか使わないのであれば、ウイルス対策は不要だし、Windows updateも、ときどき手動で行うだけで十分だからです。
あと、将棋会館のネットワーク環境も気になりますが、とりあえず上記のような対策をされたらいかがでしょうか?
今まで直前で二度ログインが切れたことがあるため、日曜は朝からログインし、対局一時間以上前からPCの前で待機して心待ちにしていた対局。
切れ負けの瞬間の衝撃は、自分が始めて二歩負けしたときよりも大きかった気がします。
色々なところで話題を呼んでいる今回の切れ負けですが、確認画面が表示されている状況で時間切れしたとき、その手を自動で指すようなシステムになればいいと思うのですがいかがでしょうか?
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というのはなかなかギリギリまで考えて指すプロの方には大変なのかなと。
僕らアマチュアの趣味とは違いますからね。
こういう事態を予め予測して回避できなかったのか、ネット将棋をいきなり公式戦にしたことにも問題があるのかなと思います。
何よりも、羽生二冠に時間切れ負けの汚点が残ってしまい残念です。
JAVAオフにしたら対局できませんよ(笑)
2chで「これは将棋ではなく"ネット将棋"なのだ」という書き込みがあって考えさせられました。声や指で示すという公式ルールも成り立たないわけで、ネット将棋特有のルール整備が必須ですねえ。