五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2018・5・28

2018-05-29 01:42:40 | 日記
テレビの画面に定年後に東京を捨てて田舎暮らしをする男性の姿が映し出されて、名字が「田中」とか「鈴木」で、下の名前も「良夫」とか「一郎」なんてことだったらスルーしただろうに、名字が「田中」や「鈴木」と同類の「××」なんてありふれていたにも関わらず目に留まってしまったのは、下の名前が「黎」なんていう特殊な名前だったからだ。「黎」は「れい」と読む。共産党の国会議員だった父親が「レーニン」から名付けたもので、お兄さんも「スターリン」を漢字に当てはめた「鋼」と言う名前なんだと、高校の社会科学研究会(通称、社研)の部室で二年先輩だった「れいちゃん」は笑っていた。そんな54年前の一シーンがぼんやりとテレビを見ていた私の前に「××黎」と言う名前で甦る。市役所勤めを終えた後、長野の田舎に農地付き住宅を買って農業に勤しんでいると言う。経費を差し引くと儲けが出ないので年金だけが頼りなんだと「れいちゃん」はあの頃の様に屈託なく笑っている。そうだ。あの頃、「社研」の中は「中核派」と「革マル」の勢力が拮抗していて、共産党員を父親に持つ彼は肩身の狭い思いをしているかと思いきや、「中核」や「革マル」の部員と議論が白熱しても決してユーモアを忘れず屈託なく笑っていたもんだから、彼らからも一目置かれていた。確か一浪して国立のS大に入ったが、父親の職業や彼の思想性ゆえに困難な人生を歩んでいるのではないかと思っていたこともあって、日曜日の昼下がりにテレビの画面に現れた「れいちゃん」との再会に何ともいえぬ感情が噴き出した…と言うことが、昨日の日記でいの一番に書こうとしていたのに忘れてしまっていたことだ。パソコンに何時間向っていても思い出さなかったことが、今日母と老老ディナー(とんかつ、小松菜のお浸し、なすの漬け物、もずくと九条ネギの味噌汁)をしながら、農村風景を映していたテレビを見ていた時にあっさりと思い出したのだ(因みに老老ブレックファーストは自家製ホットドッグにリンゴとレタスとチーズのサラダ、それにトマトジュース)だからってなんだと言うことではない。「れいちゃん」とテレビで「再会」したからってリアルに再会することはないだろう。でも、こんな54年ぶりの「再会」もあるんだと思って、日記に書き記しておきたかったのだ。★テアトロジャージャン第13回公演「櫻と桃の物語~リテイク2018夏~」(7月13日~16日、出演・水沢有美、岸本敏伸、小松杏)★テアトロじゃーじゃんのホームページが開設されました。過去の作品や今後の上演予定作品の情報が掲載。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする