坂の上の雲と殉死を読んで、今回の司馬遼太郎祭りを完了した。
今回は今まで読んだことのなかった江藤新平の歳月や大村益次郎の花神、河井継之助の峠も読んだので本格的に幕末の司馬遼太郎作品を読んだことになる。
昨年末、西郷どんの最終回に納得がいかず翔ぶが如くを再読することから始まった司馬遼太郎祭り。その後、歳月→花神→峠→最後の将軍→燃えよ剣→世に棲む日日→竜馬がゆく→王城の護衛者→坂の上の雲→殉死、という順番で読んだ。
坂の上の雲を読んだのは5回目だと思うが、やはり今回も人物を持ち上げる際の司馬遼レトリックにしびれた。日本にドイツ式の軍隊を教育したメッケルが、あるときかれを訪ねてきた新聞記者に語った言葉。「日本には児玉がいる。かれが存在するかぎり日本陸軍の勝利はまちがいない」。
そして殉死を読んだのは二度目。やっぱりどよーんとなった。これほどまで実在の人物に対し筆者が一冊を通じ皮肉を書いた本を私はほかに知らない。
幕末から明治を読んだので、次は松本清張の昭和史発掘を読もうかと思ったがどよーんが続くとよくないので、それは後回しにして次は橋本治祭りに突入する。