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モンブラン・マイスターシュテュック146の修理(追伸)

2018-06-09 21:14:54 | 万年筆

モンブラン万年筆マイスターシュテュック146の修理

 モンブラン万年筆マイスターシュテュック146のだいぶ傷んでいるものを手に入れました。ペン芯の溝にインクの塊がこびり付いていました。インクの出が悪く、すぐに字が書けなくなります。尻軸のリングも緩んでいて、インクがうまく吸引できません。

 

 

 胴軸も、傷だらけです。深い筋状の傷があるのですが、割れてはいないようです。プラスチック用のコンパウンドで磨きました。これでも、少しはキレイになりました。
 筋状の溝を消すことはできませんが、艶出し用のコンパウンドを使えば、細かい傷は消えるかもしれません。

 

 

 ペンポイントもだいぶすり減っていたので、刃物用の仕上げ砥石で研磨しました。
 ペンポイントの研磨は、普通1000番以上の紙ヤスリ、耐水ペーパーに水をつけて研ぎます。モンプランで使ったら、書き味の滑らかさが失われてしまいそうなので、よりきめの細かい仕上げ砥石を使ってみました。


 左の写真の、左側が仕上げ砥石です。木の台座つきです。これで研ぐと、和包丁など鋼の地はピカピカになります。
 右の写真は、やはりきめの細かいオイルストーンです。この砥石に、ミシン油を使って研いでもよいかもしれません。

 

 

 仕上げ砥石で研磨します。ペンポイントが字を書く角度、斜め45度にすり減っていたので字が太くなっていました。砥石に水をつけて前後、特に左右を丸く研磨します。強く押し付けるとペン先が食い違ってしまうので、ルーペで確認しながら軽く研いでいきます。

  尻軸と胴軸の接続部分にカニ目のリングねじがあって、これでピストンを胴軸のシリンダーに締め付けています。このリングネジを外して、ピストンを尻軸ごと抜き取ります。
 ネジを緩めるためにはモンブランの専用工具があるのですが、持っていないので先の曲がったピンセットを使って外しました。傷を付けないように、気を付けて。

 リングには、対角線方向に対の凹み(カニ目)があります。そこにピンセットの先を差し込んで、緩めます。

 尻軸とピストンを抜き、さらにペン芯が差し込まれている首軸のパイプをペン芯ごと抜いて、プラチナ万年筆から出ている万年筆専用の洗浄液を使って洗浄します。

 



 ペン芯部を抜きます。
 ペン芯が差し込まれたパイプにもカニ目がありますので、先の曲がったピンセットで緩めて首軸からパイプごと抜き取ります。

 カニ目の溝がある箇所は、だいたいネジが切ってあるので、これを緩めれば分解できます。なかなか緩まない時は、シーリング(接着)されていることが考えられるので、その場合は油(例えば、クレ556など)か、部材に干渉しない溶剤(例えばリグロインなど)を少し垂らして溝を破損しないよう気をつけて外します。
 溶剤を使う時は、目立たない箇所にほんの少しつけてみて干渉しないか確認します。まあ、油を使うのが安心ですね。

 プラチナ万年筆洗浄液セットです。プラチナ万年筆のカートリッジサイズに合わせた、スポイトがついています。この液を10倍に薄めて、ペン先の付いたペン芯部を数時間浸けておきます。その後、改めて超音波洗浄機で洗浄しました。
 



 左の超音波洗浄機は、メガネや宝石アクセサリーなどの洗浄に使われるものです。

 首軸にねじ込まれたパイプごとペン芯部が抜けました。パイプに差し込まれたペン芯を抜けば、ペン先も外せます。ペン芯を抜くには専用工具のノックアウトブロックが必要です。持っていないのでペン先が付いたまま洗浄液に浸けます。洗浄液は数時間で真っ黒になりました。右の写真、液が真っ黒で浸けているペン芯が見えません。

 

 最後に超音波洗浄機を使って水洗いし、組み立て直して試し書き。インクは、スムースに出てきているようです。これで修理、クリーニング完了。
 字の太さがまだ少し太めなので、もう少しペンポイントを研磨してもよいかもしれません。

 

 

 結局、万年筆の中に残っていたインクが乾いて固まっていたのが原因で、インクの出が悪くなっていたようです。ペン芯を抜き、ペン先を外して洗浄しなくても大丈夫そうです。
 字がカスレる原因は、ペン芯の溝や穴が詰まっていてイングが出てこないことのほか、ペン先の食い違いやスリットの合わさりが平行になっていない、ペンポイントの摩耗などがあります。
 これら不良原因を修理、修復すれば、使い慣れたお気に入りの万年筆を永く使い続けることができます。

-追伸-
 結構、アクセスしてくれている人がいるようなので、改めてコメントを追加してみました。
 良い万年筆程、長く使いたいものです。このマイスターシュテュックも、ペンクリニックの先生(村上明弘先生)に「これは良い万年筆だ、あと50年使える」とお墨付きです。やはり”モンブラン”は、ドイツのマイスターの稀有の創造物のようです。
 固まったインクは、メーカー専用の洗浄剤を使うと溶け出してきれいになりますが、ビタミンC(アスコリビン酸)を使っても固化したインクを溶かすことが出来るようです。
 周りの評価ではなく、本当に自分が気の入った物は、長く・・・死ぬまで・・・使い続けてみたいですね。モンブランは、本当に素晴らしいドイツのマイスターの作品です。

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