goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

神さまの領域

2007年10月01日 | 07 花たち


植物の世界には、ときになんとも不思議な形をした姿を見せてくれるものがいます。
初めて見たときの驚き、不思議さ、可笑しみ、感動は、花愛好者にとっては至福の瞬間であったりします。
人智の及ばない世界を目の当たりにすると、人間に与えられた最大の武器(だと思ってます)の想像力を駆使しても、それが微力なものでしかないことを思い知らされます。
神の領域を、ただただ受け入れるしかありません。
宗教心の希薄な人間でも、このときは神の存在を確信することになるでしょう。
「花」という宗教に身を捧げ、敬虔な信者であることの幸福を手にする瞬間です。

あ~~らら、本日のおじさんは大風呂敷を広げてますね。
花信者に成り下がった人間は、日々たくさんのシアワセな時間を、花たちから貰っているということを言いたかっただけなんですけどね。

そんな不思議な形をした花たちを、goro's Diary でも過去に紹介してきました。
マンサクブラシノキケマンソウカラスビシャク等は、類稀な花姿で楽しませてくれます。

お馴染みの花のなかにも、面白い形をしているものがあります。
よく観るとマメ科の花たちはユニークな形をしていますが、
見慣れてしまったせいでしょうかね、
普通の花としての認識しかなくなっています。

ここで紹介する花も、神から与えられた不思議な造形をしています。


以前にもどこかのサイトで見たことはあったのですが、最近noodlesさんが箱根で出会った花として紹介していたときに、その造形の妙にすっかり魅了され、いつか出会って、この目で見てみたいと思っていたところでした。

間をおかずして、ママコノシリヌグイと出会ったのと同じ公園で、この花との嬉しい出会いがありました。

見ていただきましょう。


【カリガネソウ・雁草・雁金草】クマツヅラ科

ねぇ、不思議な形でしょう?

カリガネソウは日本の山野に自生していると聞けば、興味は増すばかりです。
自生種ですよ、この植物は。

何と言っても、蕊の形がユニークですよね。
上に長く伸びて、無理の無い自然な曲線で花の前に垂れ下がってます。

花びらは5枚です。
上に2枚、次の2枚は横に広がり、下の1枚が大きな舌状になり、濃い紋様が入っておしゃれになってます。
舌状花の、この花色の濃淡こそが、カリガネソウが造形のユニークさだけでは無い、更なる魅力を醸し出しております。

青色系の花は植物の世界では大きなハンデを持っています。
それを補うように精一杯派手に装うことで、昆虫たちを誘惑しているんだと思いますが、いかがでしょうか?

やってきた昆虫が花に留まると重みが加わり、花序が角度を変えることで、虫の背中に雄蕊と雌蕊が付き、受粉するような仕掛けになっていると考えられているんですって。
花粉をくっつけた虫さんは、次なる花に向って花粉を運んでもくれるしね。

不思議な形をしたカリガネソウのしたたかな戦略、おわかりですよね。

カリガネソウ・雁金草とは、なんとも風雅な名前ですね。
花の姿が雁に似ているからという説が、検索してみると大半を占めております。
似ていますかね?
なんだかピンときません。

雄蕊と雌蕊の花柱が弓なりに飛び出しているのを、雁に例えたという説のほうが、まだ納得出来ます。

「花は雁が飛ぶ姿から家紋の”結び雁金”紋に似ているのでカリガネソウという名が付いています」との説もありました。

別名のホカケソウ・帆掛草には、えらく納得しちゃいます。



8/11撮影

実はね、この植物のことが気になっていたんです。
マイリビングのミニ花壇のコーナーに植えられているんだけど、ほぼ白い葉で覆われているように見える、斑入り葉の植物なんです。

どんな花が咲くのかなって。
取り敢えずと思って撮影しておきました。

花の時期がやってきたのですが、いやいや、びっくり!

斑入りのカリガネソウでした。

株全体の雰囲気や葉の大きさなどが、本家のカリガネソウとは、全く違った姿がをしています。
花を見なかったら、カリガネソウだとはわからなかったです。

「スノーフェアリー」という品種名の園芸種のようです。

あまりにも白い斑の葉っぱの印象が強烈なので、妖精さんたちを見逃してしまいそうでした。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
またまた! (ポージィ)
2007-10-02 10:44:49
素晴らしい出会いが続いていますね。
カリガネソウともお会いになれたとは、おめでとうございます!!
記事の冒頭、なんだろなんだろ とワクワクしました。
「不思議な造形」のお言葉に「アッあれだ!」閃きましたよ。
当たりでした。株の全姿はこんななのですね。意外と大きく
横に広がっているんだなと思いました。
園芸種には葉が斑入りのものまであるのですね。こちらも思いがけない
出会いだったのですね。
確かに葉の印象が強くてせっかくの花が目立たなさそう。
でも柔らかな雰囲気でこれはこれで魅力的。スノーフェアリーという
品種名も気に入りました。やっぱりロマンチックなのに弱い私(^^;)
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今年は、 (noodles3)
2007-10-02 12:51:52
お互いに、新しい出逢いに恵まれていますね♪
しっかし、まだまだあるもんです、見知らぬ花が!
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こんばんわ (みどり虫)
2007-10-02 23:41:54
 初め見た時 ブルーエルフィン かと思ったんですが、カリガネソウなんですね。
斑入りがあるんですか、斑入り と聞くと 見てみたくなりました。
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コメントありがとうございます! (悟郎)
2007-10-03 00:40:59
★ポージィさん

最初にママコと出会った同じ日に、カリガネソウとの出会いもあったんです。
ただ花がほとんど咲いていなくて、是非再訪しなくてはと決めていたんです。
だから今回は、ママコはついでだったんです(笑)。

「不思議な造形」で、カリガネソウだってわかりましたか?
noodlesさんのところで、見させていただいておりましたのでね。

そうそう、カリガネソウという名前なので、草っぽい印象を持ってました。
どちらかというと、潅木のイメージです。
私も姿を見たとき、こんなに大きいのかと驚きました。

斑入りのカリガネソウには、違った意味での驚きを貰っちゃいました。
まさか、この株に、こんな花が咲くとは。
カリガネソウを知らなかったら、名前に辿り着けなかったと思います(汗)。

あまりにも斑入り葉のインパクトが強いので、気を付けて見なければ、花を見逃すかもです。
現に昨年もこの株があるのはわかっていましたが、花の記憶が無いんですよ。
花時期に側を通らなかったとは、とても考えられないことなんですけどね(汗)。

スノーフェアリーとは、よくぞ付けた名前ですよね。
これ以上は考えられないような、名前です。
ポージィワールドは、ロマンチックワールドでもあるんですね~~

★noodlesさん

ほんとですね、次々と新しい出会いは待っているんですね。
特別なことをしているつもりは無いんですけどね。
無限大にあるんだろうと、そう思ってます(笑)。

★みどり虫さん

カリガネソウはブルーエルフィンに似ていますよね。お仲間ですものね。
フフフ、近頃では、斑入りの植物を見かけると、ついみどり虫さんのことを思ってしまいます。
この斑入りのカリガネソウも、きっと気に入るだろうなと、そう思っておりましたよ。
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Unknown (池田姫)
2007-10-03 01:32:07
ママコちゃんは良しとしても、カリガネソウはなかなかお目にかかれないのではないでしょうか?
運が良かったですね!
とても魅力的な花です。こんなにたくさん花をつけなくても良さそうな位、いっぱい咲きますね^^
その上、おうちでも咲いたの?
園芸種があるとは聞いていましたが、見るのは初めてなんです。シベがあまり揃わない傾向にありますか?いえいえそんな細かい事はいいですね。goroさん嬉しいでしょうね♪
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大いなる誤解 (悟郎)
2007-10-03 02:26:20
★池田姫さん

私の植物環境では、余程の遠出をしない限り、在来の野草を自然な姿で見ることは、皆無といってもいいでしょう。
ママコもカリガネソウも、出会える確率は同じようなものです。
自然っぽく見せるように管理されてる公園こそが、チャンスの場です。
ほんとですよね、運以外の何物でもありません。
この花色と形の妙に惹かれて、出会いたかった花でしたので、シアワセです。
花付きは多いですね。

あっ、そうか。誤解を与えてしまいましたね。
池田姫さんは、goro's Diary を訪ねてくださるようになって、まだ日にちが浅いですものね。
goro's Diary のなかで「マイリビング」と書かれていたら、それは代々木公園のことなんですよ。
勝手にそう呼んでいるんです。
すみません、説明不足で。

カリガネソウの園芸種、それも斑入りのものがあるなんてまったく知らなかったので、花が咲いて、びっくり仰天でした。
シベが揃わない傾向ですか?
写真で見る限りそのように見えますが、なんせピント合わせに没頭しておりましたので、よく観察してなかったことを、ここに告白しま~~す(笑)。

TB、ありがとうございます。
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