goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

馥郁とした香り

2007年11月21日 | 07 花たち



【リュウノウギク・竜脳菊】キク科

この花も「野菊の仲間たち」です。
ただ、おじさんのなかでは特別の存在だったりするのでね、先に野菊を紹介したときに一緒には出しませんでした。

秋の山野で咲く野性菊といえば、真っ先にこのリュウノウギクが思い起こされます。
幼い頃から「白菊」と呼んでいました。
リュウノウギクなんて名前を知らなかったこともありますが、ノコンギクなど紫色のものを「野菊」、白花のこちらを「白菊」と呼んで区別していたのです。
おじさんの故郷の宇和島では、「野菊」より「白菊」のほうが多く見られました。
東京では、自生しているリュウノウギクを見かけることは、とんとありませんけどね。

キク科キク属の花で、園芸種として栽培されている菊と同じ仲間です。
シオン属が多い野菊の仲間たちとの違いは、葉っぱを見ると一目瞭然です。

白菊の花は、初恋の思い出につながるということは、過去記事にさらっと記してはいますが、詳細については書いてはおりません。
今回もその点については多くは語りません。
語り出したら、どれほどの長文になるのか、見当もつきません。
30年振りの再会話などもあるんですからね。
「白菊」→「初恋の思い出」については、語るべきときがきたら、たっぷり語らせていただきます。

ただ一言だけ。
「民さんは野菊のような人だ」とは、伊藤左千夫の「野菊の墓」での政夫の有名な台詞です。
初恋の人に「白菊」のイメージを重ねることが出来るかといったら、それは無いですね。
もう少し華やかな花のイメージなんだけど、具体的な花は思いつきません。

名前はリュウノウギクの香りに由来しています。
リュウノウ・竜脳とは、フタバガキ科のリュウノウジュ・竜脳樹からとれる香料のことです。
その香りに似ているところから、リュウノウギクと命名されたんだそうです。
竜脳以外にも樟脳の成分も含まれ、どちらかというとこちらのほうが多いようです。

実際いい香りがします。
花の側に近付くと、茎や葉から漂ってくる馥郁とした香りは、そこらあたりのアロマテラピーで使われる香料より、ずっと癒しの効果があると思いますよ。

「ラジオ深夜便」の今日の誕生日の花として、リュウノウギクが紹介されておりました。
この記事を書いている最中でしたのでね、そんな些細な偶然に、驚きと嬉しさを憶えたりしちゃいます。