五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のアルペジオ

2017年08月01日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2017年9月号より

 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●蒼き鋼のアルペジオ (Ark Performance 先生)

 

 いおりさんの過去、つづき・・・

 キリシマさんが見せられる、いおりさんの過去。
 前回、家を抜け出し401と合流していましたが、まだ出発してはいなかった模様。
 そして、そのコンタクトを父上には知られていて・・・

 なんて感じに始まった今回。
 父娘の会話を中心に、当時の状況や、いおりさんの心情が描かれていました。
 それを眺めるキリシマさんも。

 

 

 

 父と娘。

 母上の千歳さんが亡くなってから、しおらしくなったと言われるいおりさん。
 しかし、実際には“霧”の艦である401に接触するほどの行動派で、
 このあたりは現在の彼女らしい一面です。

 そこで、父上からなぜ401に乗っているのか聞かれていますが、
 機関担当の彼女らしい答えが出ていましたね。

 “霧”の技術を知りたい。
 それを人類のために役立てたいと、いおりさんは考えている様子。

 ところが、父上は“霧”の技術は使うわけにはいかないと語りつつ、
 「敵性技術だから」ダメという理由を述べていて、頭の固いことを言っているな~
 と思わされましたけど、実は、これがけっこうバカにならないと気づかされます。

 “霧”を恨んでいる人間は数多くいるため、その技術を使っている物に対しては、
 理屈抜きに反感を覚えてしまう可能性が高く、そうなると問題も出てきてしまう。
 そんなことを感じさせられる説明には、納得感がありました。 感情の問題は難しい。

 

 

 

 閉塞感・・・

 いおりさんは、「この世界は何もかも閉塞している」と語って、
 自分の心情をぶちまけますが、これは杏平くんも似たようなものであり、
 この時代の若者たちの多くが共通して持つ考えなのかもしれません。

 当然、その閉塞感を生み出しているのは“霧”なわけで、
 この話を聞いていたキリシマさんがどう思ったのか、気になる所ではあります。
 アドミラリティ・コードによる勅命こそが絶対なので、気にしてないでしょうけど。

 そして、いおりさんは閉塞感の中で401と出逢ってしまった・・・
 父上は“霧”の艦を「悪魔」と呼んで嫌っているものの、いおりさんにとっては、
 夢や希望をもたらす福音ともいえる存在なのだと、彼女の言葉から伝わってきます。

 

 

 

 人の思いは千差万別。

 閉塞感からの脱出を図りたい娘いおりさんの言葉を聞き、
 大人として申し訳ない気持ちになりつつも、それでも、父上は「霧が許せない」と
 苦しそうに述べていたのは、印象的でした。

 やはり世代ということもあるのでしょうが、リアルタイムで“霧”の脅威を経験し、
 おそらくは何かしらの実害をこうむってきた父上と、戦後世代のいおりさんとでは、
 認識に断絶があるのだと感じさせられます。

 どちらが正しいとかではなく、それぞれに抱えたものがあるということなのでしょう。
 それでも、自分の考えを堅守しつつ、互いの立場を慮れているのは、聡明な父娘ですね。

 

 

 

 中途半端な状況で・・・

 その後、いおりさんにトラブルが発生し、気になる展開となりますが、時間切れ。
 キリシマさんが“連れ戻される”状況になってしまったものの、いおりさんのことが
 気になるようで、「見届けさせろ!」と叫んでいたのは面白い所でした。

 それだけ、四月一日いおりという人間に注目し、感情移入しているわけですからね。
 しかし、元の世界に戻り、姿までキリクマになってしまったキリシマさん。
 あれからの話は知る由もなく、ただ、思いを馳せるのみ・・・

 それにしても、ハルナさんには杏平くんの、キリシマさんにはいおりさんの過去を
 見せた者の意図は何なのでしょうね?

 401クルーのことを知ってもらいたいということなのか・・・
 はたまた、彼らを通じて「人間」に興味を持ってもらおうとしているのか。
 今の所は不明ですけども、そのあたりが狙いのような気はします。

 などなど、いおりさんの過去話ではありましたが、“霧”によって傷を負った世代と、
 閉塞感から抜け出したい世代の断絶を、感じさせられた今回。

 この閉塞した時代を切り拓くことで、その断絶は埋められるのか・・・
 人類の中にある“霧”への憎悪は、やすやすと消えるものではないでしょうけども、
 未来への展望が見つかることを望みつつ・・・ 今後も楽しみです!

 

 

 

 今月のアド探~!

 ヒュウガさんもやって来て、にぎやかになるハシラジマ。
 ヒエイさんは、ヒュウガさんの帰還を苦々しく思っているようでしたが、
 総旗艦の意向ということもあって、納得せざるを得ないようで(^^;

 海戦後、総旗艦のもとで苦労を共にした仲らしく、そんな話も愉快でした。
 水着かセクシーな濡れ透けTシャツ&ホットパンツ姿にされてたとか、
 これビジュアルで見れないのは、大いなる損失ではありませんかね!?

 それはともかく、強襲海域制圧艦の話は興味深い所でしたね。
 アカギが抜け忍設定とのことで、くのいちコスプレでの登場を期待したいですが、
 話を聞いていると、むしろズイカクこそ抜け忍にふさわしいような?

 そして、やはりチョウカイさん、群像と2人きりになりたいがため、
 コンゴウ様やヒエイを学園祭に向かわせた疑惑が高まってましたね・・・
 ヒュウガさん、さすがや。

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想