五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 『咲-Saki-』 愛宕洋榎の強さについて考えてみただけ

2012年06月26日 | ◆マンガ 感想

『咲-Saki-』(小林立 先生)より、

姫松高校のエース・愛宕洋榎をピックアップして、ちょっと思いついたことを書いてみました。

 

 

 

 

以下、主に9巻のネタばれを含みます。 (未読の方はご注意ください)

 

 なお、私はコミックス派なもので、知識・情報の不足などあるやもしれません。

 そのあたりのことで不備がありましても、ご容赦いただけると幸いです。

 

 

 

 

【愛宕洋榎の強さとは】

・強さの秘密に迫ってみたつもり

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 全国でも屈指の強豪として知られる名門・姫松高校、そのエースである愛宕洋榎。

 さまざまな大会で、プラスの成績をおさめる彼女の実力は相当なものです。

 

 本作品では、いわゆる「能力」を持った人物が登場し、

 オカルト的な強さを見せつけることが多いのですが、

 彼女にはそうした「能力」はないように思われます。

 それでも強いというのは、なかなかどうして、スゴイことではありませんか!

 おそらく、「能力」を持たない人物の中では、トップクラスのプレイヤーでしょうね。

 

 では、その強さはどこから来ているのか?

 ここでは、そんなことを妄想まじりで考えてみたいと思います。

 

 

 

・愛宕洋榎はデータが苦手?

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 愛宕洋榎は、データを読み解くことが苦手っぽい?

 対戦校の1つ、宮守女子の留学生エイスリン・ウィッシュアートについて、

 麻雀のデータを見ても「おかしなとこはなかった」と語るエース。

 そこへすかさず、チームの頭脳である参謀格の末原さんからツッコミが!

 

 末原さんから丁寧に説明されて、ようやくエイスリンの特異性を知る洋榎さんでしたが、

 ここから、彼女があまりデータ分析が得意でないこと、

 つまり作戦立案や方針を考える事については、不向きなタイプであることがうかがえます。

 

 末原さんは末原さんで、データを重視するあまり

 臨機応変に対応する力に欠けている面があるので、

 単純にどちらが良いとは言えませんが、このことから少なくとも愛宕洋榎は、

 事前に何かを考えて試合に臨むタイプではないことがわかるのです。

 (とはいえ、末原さんから情報をもらい、それを前提に打っているようではあります)

 

 

 

・愛宕洋榎は、実戦に強いタイプか?

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 データなどを分析する頭脳派ではない愛宕洋榎さん。

 オカルト能力なしの人物の中では、トップクラスの実力を持つであろう彼女は、

 おそらく実戦派なのではないかと思われる節があります。

 

 たとえば、宮守女子の鹿倉胡桃が、ダマでアガった場面。

 清澄の竹井久さんは「張ってたか~・・・」と驚き気味ですが、

 洋榎さんは「まァそこやろな~」と余裕の表情。

 ここから、次にアガるのが胡桃さんあたりなのではないか?と、

 場や相手の雰囲気から、彼女が察していたことが分かるのです。

 

 

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 ここで、1巻の咲さんについて語られるシーンに注目。

 部長から咲さんは、「リアルの情報から読み取ることで強い人」と指摘されています。

 つまり、その場や相手を見て、そこから何かをつかんでいるタイプということですね。

 

 咲さんの場合はオカルトを含んでしまいますが、これはオカルト抜きでも通用する考え方。

 いわゆる観察力と呼ばれる類のもので、麻雀するうえでは結構大切なことなのです。

 たとえば、場に捨てられている牌から残りの牌を想定したり、

 相手の様子・雰囲気から手の進み具合を察したりするものです。

 

 愛宕洋榎の場合も、オカルト抜きではありますが、

 「リアルの情報から読み取る」力=観察力が優れていると考えることできるわけです。

 

 

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 また、スゴイのが即応力。

 対戦相手の1人・竹井久が、カンによってドラ4となったことで、ピンチとなった場面。

 とうぜん竹井の手牌を注意するのですが、ここで凄かったのは愛宕の牌の捨て方。

 

 竹井のアガリ牌は5筒でありましたが、それはどちらかといえば通りそうに見える牌。

 しかし愛宕は、自分の手牌を崩してまで、5筒を抱え込み、絶対安全牌の5萬を捨てます。

 

 と、このこと自体はべつに不思議でもなんでもなく、上手い人ならよくやること。

 注目すべきなのは、その捨て方のよどみなさです。

 「♪」を飛ばしながら、ご機嫌な様子で牌を捨てる愛宕洋榎。

 その様子から、迷っているそぶりなど微塵も感じられません。

 相手方に動揺を悟られないことは、敵の観察力を無効化することにもなるわけで、

 その点でも愛宕は素晴らしい打ち手と言えますし、なによりも、自分の手牌を崩しつつも、

 迷わずノータイムでこれをやってのけているのは、スゴイことなのですよ。

 

 たとえば、鹿倉胡桃などは、竹井のアガリ牌を当初は見誤って迷っていましたし、

 じっさいに目の前でアガられて驚いているのですが、

 愛宕はそんなそぶりもなく、動じていないのはさすが。

 少なくとも愛宕は、鹿倉よりも格上のセンス・実力であることを証明していると言えます。

 

 まだまだ彼女の実力を感じさせる場面はいくらでもありますが、

 とりあえずはこんなもので・・・・・・

 

 

 

・迷いのなさが持ち味

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 つまり愛宕洋榎は、実戦における観察力・即応力が、ズバ抜けた打ち手なのではないか?

 というのが、私の仮説となります。

 もちろんこれに、「効率よくミスの少ない打ち方をする」という

 麻雀の強い人間の基本要素を加えてのことですが。

 

 さらに、それを可能にしているのが、伸び伸びとした彼女のプレイスタイルなのかも。

 「迷いが見えない」

 すなわち、それだけの自信を持って打っているというのは、攻めの姿勢にも通じますし、

 何より緊張もなく、動じもせず、自身の実力を思う存分発揮できるということでしょうからね。

 自然体の実戦派。 それこそが、愛宕洋榎なのではないでしょうか・・・

 

 

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 とにもかくにも、愛宕洋榎はスゴイ!

 この他にも、同じく観察力・即応力にすぐれた打ち手である

 加治木ゆみとの相違点などについても語りたかったのですが、長くなるので割愛。

 

 まあ、すべては私の妄想の産物ですし、見落としも多いでしょうから、

 あまり真剣にツッコまないよう、お心遣いいただければ幸いです。

 ちなみにこれだけ書いてきてますが、

 私の好きなキャラクターは初めからず~っと、清澄の部長・竹井久さんですので、

 そのあたりについてもご理解いただければと思います(ォィ

 

 『咲-Saki-』関連の記事もも少し書いてみたいのですが、

 ふだんの感想でいっぱいいっぱいなので、どうなることやら・・・

 いずれにせよ、本編も、外伝や4コマ漫画も、今後が楽しみです!