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行動が遅い子

何をやっても、割とのんびりしている子がいます。

全体的に動きがのんびりしているというか、遅い。で、お弁当を食べているのを見ていると、実は食べるのも遅い。

「いつも、このくらい食べるのに時間がかかるの?」

と聞いてみると

「うん、いつもお母さんに怒られる」

と言っているから、ご家族も

「遅い」とか「早くしなさい」とか言っているのでしょう。

しかし、これは本人のペースなので、なかなか速くはならないものです。

以前、行動が遅い子に対して「ゲームのようにストップウォッチを持って行動にかかる時間を計ってみる」という話を聞いたことがありました。

ずいぶん、無茶をするものだと思っていたのですが、こういうことをして「速くなる」子はもとから速くなる要素を持っているだけの話で、それでも「速くならない」子はいるのです。

でも、こういう子はなかなか成績が上がりません。当たり前ですが、勉強できる量が限られる。

だからお父さん、お母さんとしては「速くして!」というのだろうが、こういう子が速くしても「理解できない」から速くするだけ、逆に無駄な時間になることが多い。

基本的にこういう子は中学受験には向かないのです。

中学受験というのは、中学2年ぐらいまでの内容を小学校6年生でできてしまうような話なので、早熟です。

晩熟の子が、こういうステージに来て勝負すること自体が本当は間違っている。こういう子は、じっくりと時間をかけて育ってくれた方が良いのです。

かつてこういう子がいて、中学受験も高校受験も失敗しました。

頭は悪くないのだが、やはりスローなところがある。しかし、こういう子は努力の積み重ねが熟成してくる。あるとき、「ふと、わかった」と思ったそうです。勉強のコツというか、こうすればいいんだということが。

今まではあわてさせられていたところがあったが、それからはとにかく「自分が納得いく」ことを貫いた。

そうすると、理解が理解を呼ぶというか、派生的にいろいろなことが見えてきた。

大学受験は見事、うまくいきました。今は立派な研究者になって、海外でも活躍しているらしい。

これだから子どもの将来はわからない。

なんでも早くできればよいというものではないのです。

子どもには元から持っているリズムというものがあって、それが一番、子どもの能力を引き出します。そのリズムで育てれば一番伸びる。

だから中学受験はだれでもやればよいというものではないのです。

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