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合格点をとることに眼を向ける


足の速い子がいて、ソフトボールを遠くに投げられる子がいて、頭の良い子がいます。

足の速い子が練習をしてさらに速くなってしまうと、よほど自分に才能があってかつ練習しないと相手より速く走れないかもしれません。

同様に頭の良い子が、一所懸命勉強してがんばれば、なかなかこの子より良い成績を取れないかもしれない、とは思うのです。

しかしながら、入学試験というのは、実はこういう個の競争ではないのです。

入学試験の合格点を取ればいいということであって、だれよりも何点多いかは実は問題ではない。合格点をとれるかどうか。この1点にポイントがあります。

偏差値や順位は相対的な位置を表すので、合格可能性の低い相対的位置にいると合格しそうにないという感覚に陥りがちです。

しかし、実は絶対的なものであって、この合格点をとれるか、どうかにかかっている。今の位置がどうであれ、です。

で、毎月組み分けだ、総合テストだ、ということでその相対的位置ばかりに目が行ってしまうが、本当は絶対的な合格点をどうとるか?に注意が行かなければいけない、のです。

例えば、資格をとるために国家試験を受けるとしましょうか。その国家試験にはどんな問題がどんな形式で、何問でて何点とれれば合格する、ということは試験を受ける以上調べると思うのです。

何々君よりも自分はできるから、合格する、なんてことは考えない。最後の最後にこの国家試験の合格点さえとれればいい、と思われるのではないでしょうか。

入試も同じです。

しかし、毎月組み分けがあったり、模擬試験があったりすると、そこに眼が行かない。

開成を受ける子と麻布を受ける子が上下を争ったところで意味がない。開成を受ける子は開成の合格点を取れればいいのであって、それ以外は必要ないのです。

だから、今やっている勉強は、志望校に合格するためにやっていることでなければいけないはずです。

例えば国語の試験で、物語文と説明文しか出さない学校は少なくありません。そういう学校を受験するのであれば、今はまず物語文の読解に力を入れるべきなのです。しかしカリキュラムはそうなっていません。

当たり前ですね。全体に共通するテーマを選んでいるわけだから。

しかし、それはある意味遠回りをしている部分でもあります。

だから、そろそろ志望校を意識した勉強を塾の勉強以外に取り入れてください。

合格点をとるために、今、何をすべきなのか?を考えて勉強を進めてほしいと思います。

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今日の田中貴.com

第78回 子どもといっしょに勉強するコツ
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