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勉強をやりこむ時間

以前、大学受験をした生徒から聞いた話。

「クラブが終わって、本格的に受験勉強を始めたのは高3の夏からですね。」
「ほう」
「ほんとはもっと早くから始めなきゃとは思ったんですけど、夏まで試合があって。」
「なるほど」
「当然、人より遅れてるわけですから、後半はやりこみました。」
「え、一日どのくらい勉強したの?」
「多い時は16時間ぐらい。」
「もつもんかね。」
「そこは体力勝負なんですけど、結局部活で培った体力はこういうところで活かさないとね。」

この話を聞いていて、思ったことは2つありました。

やはり、大学受験生は体力がある。中学受験生とは違う。しかし、お父さん、お母さんの受験の記憶はどうしても大学受験や高校受験のときになりやすい。そのときは体力がついているから、

「私はもっとがんばった」

という話になりやすい。

そりゃあ、そうでしょ。16時間も勉強すれば。

しかし小学生にそれは無理です。だから準備期間が長くなる。

もうひとつは

受験勉強には、それだけに打ち込む期間が必要だ

ということ。

矛盾するようですが、やはり勉強をやりこむ時間は必要なのです。夢中になって勉強するというか、がんばる期間。もちろん中学受験生のそれは、大学受験生とは大きく異なるでしょう。でも、そういう意識をもって勉強する期間がないといけないと思うのです。

「絶対に合格したい。だからここはがんばる。」

そういう意識で勉強する期間は、やはり必要だと。

というのは、その子はこんなことを言っていたからです。

「高3の夏まで部活でしたから、普通、一浪なんです。一浪が当たり前だから、と思っている友達もいました。でも、絶対に浪人はしないと決めたので、ここでがんばるしかない、と言い聞かせました。」

一浪が当たり前だと思ってやる勉強と、絶対現役で合格するという勉強はやはり違う。現役で合格すれば、その分受験勉強にかかる期間は短縮できるわけですから、結果の違いも大きいわけです。

「なぜ、絶対現役?」

「だって、1年練習できなくなると、選手生命は短くなりますから。」

結局、部活が中心の大学生活を送っているみたいです。


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