中学受験で疲弊しないために、親子で楽しむ受験になるヒントを綴っていきたいと思います。
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法
終わらせる子
中学受験は小学生がやることとしてはなかなか分量も多いし、難しいので、やはり段取りをとっていかないとなかなか進まない。そこで、計画を立てて、毎週の勉強を少しずつ進めていく、というのは私もよく薦める方法です。
まいにち目標達成ノートという手帳を作ったのも、その一環でそれを毎週持ってきてもらいチェックしていました。
ある女の子のノートは、見事に計画が終了しています。しかもお母さんのチェックも入っていて、なかなかよくがんばっているように見えました。本人はクラスではあまり目立つ方ではありませんが、授業態度もまじめでしたから、それなりにやっているように思えたのです。
でも、ちょっと気になったので、算数の復習ノートを見せてもらいました。このノートは本人ができなかった問題を改めて解きなおす、というノートで1ページに1問、できなかった問題をはりつけて、解くのですが、すべての問題が実にきれいに解けている。というか、書いてある。
「これ、全部自分で解けたの?」
「いいえ。解けないのもありました。」
「で、それはどうするの。」
「先生の解答を写しました。」
「・・・」
つまり彼女は終わらせる子であったのです。わかるか、わからないか、という点で区別がついていない。ただ、「復習をしました。」ということであって、そのときできなければやり直す、ということにはなっていない。逆に考えれば、できようができまいが、答えを写してノートを作り直せば、それで終わりになる、ということなのです。
しかし、別にズルをしたい、ということではないでしょう。そこでじっくり説明することにしました。
「もし、解きなおしてできなかったら、そこで終わりにしていいです。解説は写さなくていいから、一度読んで、もう一度やり直す方に回しましょう。」
「え、でも、それだと終わりません。」
(ああ、やっぱり。)
「終わらなくてもいいのです。あなたが自分でできる問題が増えるかどうかが、大事なのであって、終わるか終らないかは問題ではありません。このノートでどれが自分でできて、どれが答えを写したか、というのはもう忘れちゃったでしょう?」
「はい」
「だから、それだと本当にあなたに解ける力がついたかどうか、わからないでしょう?あなたが自分の力で解けた問題、だけ○が付いていればいいのです。できなかったら、またやり直す。答えを写さずともあるわけだから、それを読むことは大事だけれど、それをまた写す必要はありません。一番大事なのは、あなたが解けるか、どうかなんです。ここで全部○が付いていても、入試でできなかったら困るでしょ?」
「あ・・・、はい」
明らかに彼女は気が付いたようです。これは一体何のためにやっているのか、説明していても、だんだんやることが多くなれば自然「終わらなきゃ」という方に力が入ってしまう。しかし、そうなると本当に力がついていくかどうか、わからなくなります。
何のために、この勉強をするのか。時々、確認をしておきましょう。
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「これ、全部自分で解けたの?」
「いいえ。解けないのもありました。」
「で、それはどうするの。」
「先生の解答を写しました。」
「・・・」
つまり彼女は終わらせる子であったのです。わかるか、わからないか、という点で区別がついていない。ただ、「復習をしました。」ということであって、そのときできなければやり直す、ということにはなっていない。逆に考えれば、できようができまいが、答えを写してノートを作り直せば、それで終わりになる、ということなのです。
しかし、別にズルをしたい、ということではないでしょう。そこでじっくり説明することにしました。
「もし、解きなおしてできなかったら、そこで終わりにしていいです。解説は写さなくていいから、一度読んで、もう一度やり直す方に回しましょう。」
「え、でも、それだと終わりません。」
(ああ、やっぱり。)
「終わらなくてもいいのです。あなたが自分でできる問題が増えるかどうかが、大事なのであって、終わるか終らないかは問題ではありません。このノートでどれが自分でできて、どれが答えを写したか、というのはもう忘れちゃったでしょう?」
「はい」
「だから、それだと本当にあなたに解ける力がついたかどうか、わからないでしょう?あなたが自分の力で解けた問題、だけ○が付いていればいいのです。できなかったら、またやり直す。答えを写さずともあるわけだから、それを読むことは大事だけれど、それをまた写す必要はありません。一番大事なのは、あなたが解けるか、どうかなんです。ここで全部○が付いていても、入試でできなかったら困るでしょ?」
「あ・・・、はい」
明らかに彼女は気が付いたようです。これは一体何のためにやっているのか、説明していても、だんだんやることが多くなれば自然「終わらなきゃ」という方に力が入ってしまう。しかし、そうなると本当に力がついていくかどうか、わからなくなります。
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