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良い距離感を大切に

以前、塾の授業を終えて事務室にもどっていくと、中2の子が来ていると、事務の方から連絡が入りました。

「先生、どうも家出してきたみたいです。」

「家出?そりゃ、大変だな。」

部屋に行くと、ジャンバーに顔をうずめていました。

「どうしたの?」

と聞くと、私の顔を見るなり、

「先生、僕は自分の力で今の学校に入ったんだよね」

と最後の方は声になっていません。

まあ、いろいろ事情を聞いてみると、要はお母さんに

「あんたなんか、私のおかげで中学に入ったんだからね。私がいなかったら何にもできないんだから。」

と啖呵を切られたようなのです。まあ、反抗期真っ盛りですから、そういうことはあるでしょうね。お母さんも売り言葉に買い言葉で出たんでしょうが。



確かに、子どもが育つ環境の中でお父さん、お母さんの力は非常に大きい。当たり前の話でしょう。しかし一方で、子どもも育っていく。そして一人の人間として考える力も行動する力も備わります。

で、そのバランスをとる時期がやはり中学生から高校生への時期だと思うのです。

以前、子どもが高校生になった保護者の方が

「結局、心配したって、何にも言うこと聞かないんですけど」

とおっしゃっておられましたが、実際はそうではないでしょう。しかし、ものの言い方を間違えば、そういう反応も出てくるかもしれませんね。


特にお母さんは小さい頃から育てることに苦労されている分、子どもが小さいころの感覚が抜けない部分があります。だから割り切れない。確かに目の前の大きくなった子を見て、成長したんだから、と自分を納得させつつも、ちょっとだらしないところをみると

「ほら、だからしまいなさい、っていったでしょ。」

と小学生の時と同じ反応をしてしまう、わけです。

中学1年生はまだ、小学生と変わりがあまり感じられないかもしれません。しかし、電車賃はしっかり大人料金だし。そう、確実に子どもは大人になっていく段階に入っていくのです。ですから、お父さん、お母さんも少しずつでかまいませんから、良い距離感を考えて、子どもの成長を見守ってあげてください。

特に男の子のお母さんは、一歩引く、という気構えが必要かもしれませんね。

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