毎日のできごとの反省

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世紀の珍機(ブローム・ウント・フォス)

2020-03-10 16:48:59 | プラモコーナー

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 飛行機で珍機といわれるもの、つまりアレンジが珍奇なものといえば、最近ではノースロップB-2爆撃機であろう。飛行機は普通、胴体、主翼、尾翼で構成される。それが全翼機すなわち、胴体も尾翼もなく、主翼だけしかないのだから。しかし、世の中にはもっと珍奇なものがある。それは左右非対称機である。全翼機であろうと、左右対称でなければ、バランスが取れず、まともに飛ばないと考えられるのである。

 ところがドイツ人は作ってしまったのである。単発の偵察機で、前方、後方の視界が良いこと、というスペックを空軍が出したのである。ブロームウントフォス社はこのスペックをまともに考えて、下のプラモのようなBv141を作ってしまった。なるほど非対称機にすることで、操縦席の前後にエンジンなど邪魔者はなく視界が良い。

 しかも、この珍機、性能は満足するは、心配された操縦性能にも問題はなかった。ところが空軍が採用したのはスペックに違反して双発にしたフォッケウルフ社の機体であった。空軍は非対称に不安を持った、それだけのことである。ちなみにいかなる形態でも非対称機が実用化されたことは未だにない。しかし、この機体、案外人気があり、エアフィックスが半世紀も前にキット化したものであり、最近でも48の新製品が売り出されたという人気者である。

 ところが懲りないのはブロームウントフォス社である。ジェットエンジンが実用化した時にまたしても非対称機を計画したのである。それが下のBvP178である。双発にしてもよいのに、わざわざ単発にしたのである。爆撃機型や戦闘機型もあるが、これは機首にレーダーを納めた夜間戦闘機型である。Bv141の場合は非対称にしたメリットは感じられるが、BvP178の場合、平面形をみれば分かるように、非対称にするメリットはあまり感じられない。非対称機にこだわったとしか思われない。このプラモ、ブロンコ・モデルズの72であるが、このメーカー、BvP178のキットを何種も発売している。

 このタイプを選んだのは、機首が妙な形をしているので分かるように、ドイツ機では珍しくレーダーを内蔵した可愛らしい形をしているからである。

 実はノースロップ社のジャック・ノースロップは若い頃から全翼機にこだわった人である。第二次大戦後も全翼戦略爆撃機を試作したが採用されることはなかった。プロペラ機が駄目だとジェット機にまで挑戦したのである。ステルスの必要性と操舵のコンピュータ制御が可能によってようやく全翼機B-2は実現したのである。死の床にあったジャック・ノースロップはB-2の採用を聞いて、神に感謝して亡くなったそうである。技術者の執念とはかくなるものである。


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