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認知症研究のレジェンドが認知症になった~切実な友の反応

2024-08-02 | 日記
うだる猛暑酷暑熱暑。
まるでサウナの夏は体力劣化のリハビリ老人にはきつい。
栃木・佐野市で41.0度など全国6都市で40度超え報道エブリデー。
なんせ体温以上の気温って、どんだけ~!
なので外出好きを返上している。

入院中、録画してあった番組を順次見ている。
中で2つの番組が心にしみた。
NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった 」と山田太一ドラマ「冬構え」(85年制作)。
つい最近、70代の友人から告白され驚いた。
「女房が還暦超えた頃から認知症が徐々に進行していた。朝昼晩の3食は俺が作ってるよ」
若くても患うのかもしれない。
友人はこうも、いう。
「我々は死に行く存在。だんだん弱っていくのは定め。覚悟という言葉の意味が重くなってきた」

NHKスペシャルは4年前の再放送番組。
ついつい見入ってしまった。
「こういう類の番組は見たくない!」
認知症になる以前の亡き母が拒絶、えらい怒られたことを思い出した。
なぜ、そんなに怒るのか?
身近に迫る恐怖だったのかもしれない。
そんな影響で私も敢えて見ることも無かった。
番組は密着ドキュメント。
認知症研究のレジェンド精神科医とその家族を500日追った。
長谷川和夫(享年92)。
「長谷川式」早期診断の検査指標を開発、
「痴呆」を「認知症」に変えた。
まさに、そのジャンルのレジェンドといっていい。
そのレジェンド自身が87歳で認知症になった。
そして自ら公表した。

担当ディレクターは、まだ健康だった博士と16年前に逢っていた。
長谷川の講演会だった。
認知症になれば不確かな状態がずっと続くわけではない。
正常な状態もある。
言葉が分からなくなって話せないのではない。
自信がなくなり殻に閉じこもる。
長谷川は「自分の中の“確かさ”が揺らぐ」といった。
何度も同じことを話したり、質問したりする。
『確かなこと』が失われる不安なのだ。
繰り返し尋ね、何度も確認するのは自身への不安感という。
「これから言う三つの言葉を言ってみてください。桜、猫、電車」
「100から7を順番に引いてください」
認知機能検査は「長谷川式スケール」といわれる。
人生100年時代。
ドラマ「冬構え」は40年も前に終活を扱っている。
主演は笠智衆。
定年後、妻をなくし旅に出る。
貯めたお金を贅沢に使い尽くし死にたい。
東北の旅に出る。
駅前で拾ったタクシー運転手に告げる。
「一番高い旅館へ行ってくれ」
旅館でチップに2万、3万と弾む。
それでも使い切れない、死にきれない、ままならぬ。
孤独になった老人同士が愚痴をこぼす。
「生きて行くのは難しい。死ぬのはなお難しい」
誰もが老いていく。
長生きすれば可能性のある認知症。
ストレス満載の時代。
悲しいけれど、誰もが可能性のある病なのだ。
◆長谷川和夫(はせがわ・かずお)1929年2月5日ー2021年11月13日、愛知・春日井市生まれ。享年92。東京慈恵会医大ー米留学などを経て73年に聖マリアンナ医大教授 、96年同医大学長。74年、「長谷川式簡易知能評価スケール」を開発 。04年、「痴ほう」から「認知症」へ 提言。88歳で自らの認知症公表。著書『ボクはやっと認知症のことがわかった』絵本『だいじょうぶだよ ぼくのおばあちゃん』など。  


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