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酒のツマミになる話題をセッセセッセ。独断偏見は”味付け”です※文中の敬称は略。

人生初めて祇園祭&岸和田だんじり祭のはしご 

2018-09-22 | 日記

身近にあれば「いつでも行ける」と思う。
69年の人生で、そうやって、見過ごしてきた事が数多くある。
人に聴くと結構同じ気持ちらしい。

身近なところでは通天閣。
浪速の名所なので、下は何度も歩いたことはあった。
ところが展望台まで上がったことがない。

若いころは人ごみや賑わいが大好きだった。
だが、齢を重ねると億劫になる。
ノンビリがいい、煩わしい、となる。
こんなじゃ、なかったのになあ。

人混みの典型はお祭だ。




祇園祭
もそうだった。

コンチキチン。
独特の音色は心地いい。
季節になると阪急梅田、京阪淀屋橋でおいでやす、とコンチキチンが誘う。
その雰囲気、飲み会などで京の祭風情は味わったことはある。

招待されたこともあるが、押し合いへし合いが、どうも苦手。
酒場へ行くか、龍馬の墓参りで東山に行くか。
へそ曲がりは、道も曲がる。


なので、山鉾巡行などの本番は回避。
じっくり見たことがなかった。


で、今夏、元気なうちに、と一念発起。
初体験した。
それがナント異例の酷暑熱波だった。

結論。

行って良かった。
食わず嫌いはいけない。



ことのついでに過日岸和田だんじり祭も初体験。
涼風が吹き始めた晩夏。
ころは良し!と一念発起。
昔から雨男なのだが、このところは異常な気候に出遭う。
汗だくの夏日が、当日戻った。

中高生の頃、クラスメートが驚きの発言。

「明日からだんじりやから休むわ」
報知新聞入社後、京都から通う後輩があっけらかんと言った。
「祇園祭やさかい、休ませてもろうてよろしい?」

祭りで休む感覚とは無縁なこちらとしては絶句だ。
唖然とするしかなかった。
全国各地にもそういうことがあるのだろうか?

祇園祭、岸和田だんじり祭。
地元民にとっては別格らしい。
体験してみて分かった。



老若男女、稚児まで法被、脚絆の出で立ち。
上の写真は1つ半の幼児だ。
うちの孫娘と同い年。
白いハチマキが凛々しい。

女子はドレッドヘヤーのおめかし。
さぞや手間暇かかったろう。
家族総出の準備がしのばれる。




祭の熱気は凄い。
初体験した祇園祭はもちろん、だんじり祭当日は、気温も合わさりムンムン。
祇園祭の厳かさ。
だんじり祭の猛々しさ。

祭りは「政事(まつりごと)」とはよく言ったものだ。
庶民のまさにはけ口なのだ。



能勢電ー阪急ーメトロー南海と鉄道を乗り継いで約2時間。
朝は早く出て、9時過ぎには着いた。



土嚢を積んだ岸和田駅前から港に向かう。
台風21号の爪あとはこんなところにも、と思った。
だが、違った。
疾走するだんじりが商店に突っ込まないようにする防護のためだ、と聴いた。

「銀座」商店街を人の流れのまま、突き抜ける。
商店街のアーケードが高い。
だんじりの高さに合わせた、と教えてもらった。




商店街を港に向かって歩くと左手に「コシノ洋裁店」とある。
地元出身の小篠(コシノ)三姉妹の生家らしい。
世界的に有名なファッションデザイナー一家。
NHK朝ドラ「カーネーション」でも脚光。
今はギャラリーになっている。



途中、ケーブルTV「テレビ岸和田」のクルーが陣取っていた。
メーン会場「カンカン場」に向かっていることは間違いなさそうだ。




FBで我が見物を知った三稜中時代の同級生N・Oが案内を買って出てくれた。
だんじりについて回ってる見物中、電話が来た。
自宅から30分かけ自転車で駆けつけてくれた。
20数基のだんじりが町内を駆け巡る。

特に曲がり角が面白い。
危険でもある。
「日傘、雨傘をさしての見物は危険です」の断り書き。
前日には怪我人が出た、との報道。
だんじりが電柱にぶつかり街灯が落下。
見物の19歳の男性を直撃した、と報じていた。



今年はそれだけではない。
あちこちの家に屋根にはブルーシートがかかっていた。
台風21号の、これこそ爪あとだった。
だんじりの威勢よさと、その風景のコントラスト。




だんじりの屋根の上で団扇を広げ、舵をとる。
「やり回し」と称される急速方向転換が醍醐味。
いなせなお兄さん(大工方)がピョンピョン飛び跳ねる。
きっと、町のヒーローなんだ。


【岸和田だんじり祭】
大阪南部の岸和田市で毎年9月に開催。1745年に疫病退散の祭として始まった。祭の売りは、速度に乗っただんじりを方向転換させる「やりまわし」。年々、有名になり観客数は50万人~70万人に及ぶ。だんじりは前方に約100メートル2本の白い綱をつけ、前後500人ほどで疾走。曳き綱の付け根を持って曳く綱元(つなもと)。屋根上の大工方(だいくがた)が指示を出す。大工方は主屋根に1人、後屋根に3人程。岸和田港交差点(通称カンカン場)目指して一斉に出発する「曳き出し」で幕を開ける。だんじりによる家屋損傷修復には「だんじり保険」がかけられている。



 



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