【NEWS引用】米大リーグ、レイズは25日、松井秀喜外野手(38)を大リーグ契約の40人枠から外し、戦力外とした。
松井の守っていたヤンキースの左翼。
その補強をめざしたヤンキースにイチローが移籍した。
皮肉なものだ。
その2日後に松井戦力外通告報道。
7月31日がトレード期限だから、偶然とはいえ、日本のスーパースター2人の去就が、ロンドン五輪開会直前にスポーツ界を騒がせた。
1973年生まれのイチロー、1974年生まれの松井。
日本流でいえば団塊ジュニア世代だ。
脚光を浴びるイチローの陰で、不振で苦しんでいたレイズの松井。
メジャーのビジネスライクなシステム。
1割5分に満たない打率では「解雇」も仕方ない(レイズ通算成績=34試合95打数14安打、打率・147、2本塁打、7打点)。
メジャーが、実力の世界を一番知っているのは松井自身だ。
性格もプレースタイルも正反対な二人。
3Aからメジャーに昇格して、いきなり本塁打を放った時は「さすがゴジラ」と思った。
これで、乗っていけるのではないか、と信じたファンも多かったはずだ。
左手首の骨折に始まって、両足の度重なるけがに見舞われたゴジラも、故障には勝てなかった。
「日本で復帰」と期待する話も出ているが、もうバットを置いてもいいのではないか。
どんな超人でも、永遠に現役生活続行など不可能なのだ。
初めがあれば、終わりは必ず来る。
人としても素晴らしい松井秀喜は、このもがき苦しんだことは、指導者としても大成する糧になる。
所属の決まらなかった今シーズン当初、3Aから昇格、本塁打デビュー、18打席連続無安打…。
順風過ぎた野球人生で、初めてといっていい試練は、さらに松井秀喜という人物を大きくするはずだ。
◆レイズ・マドン監督「(戦力外通告は)非常につらかった。内容はいいので、いつか結果は出る、と信じていた。彼がやり切ったとは思えない。まだ力は残っていると思う」
◆イチロー「(松井は)とても長くヤンキースでプレーしていた。それは長い間いいプレーをコンスタントに続けなければならなかったという意味だが、必要なのは選手としての能力だけではない。ヤンキースに長くいるためには、人間としてもできてなければならない。彼はそれができていたと思う。ヤンキースで長く過ごしていたことがその証拠だ。その事実こそが、松井が偉大な選手であり、人として素晴らしいということを物語っている」
◆ヤンキース・ジラルディ監督「イチローも松井も完ぺきなプレーヤーであり、違ったタイプの選手だ。松井がヤンキースで達成したのは特別なことだったと私は思っている。彼はある意味で開拓者だった。野球はどこでだってできる。プレーする能力があれば、場所なんて関係ないということを見せてくれた」