弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

箍が外れて 多事争論へ 「裁判員制 誰がために?」

2009年05月30日 13時12分07秒 | 裁判
裁判員制度が無事施行されるに至って、いわば箍(たが)が外れたように、マスコミからの制度の問題点に対する批判に遠慮のようなものが消えた感じがしている。
NHKの解説委員たちも、いったい誰のための制度なのかが判りにくいという趣旨の議論をしていた。特に「評議の秘密」を盾に建設的な取材を妨げるような対応をすれば、マスコミは一斉に裁判員制度の野党に転じる可能性だってある。
私が見ていながら悪影響を心配しているのは、フジテレビで先月から土曜深夜に放送が続いている「魔女裁判」。
裁判を左右しようとする闇の組織に、評議の模様が覗かれ、裁判員たちが脅迫されるという、絶対にあってはならない想定のドラマだ。
私は「魔女」被告人の娘こそが実は真犯人だった!とかいうどんでん返しに持ち込むのではないかと睨んでいたが、先週の前回で被告人が自殺(未遂?)をしてしまったので、どういう展開になるのか予測困難になった。
ミステリーファンなので、こういう奇をてらったドラマはついつい見てしまうのだが、裁判員候補者を怖がらせるばかりでなく、前向きな結末になることを期待している。