静かに胡坐を組んで、真っ暗闇の中で座っていますと、時々、宇宙の叡智に抱かれているような感覚に、なるときがあります。 大きな大仏さまの懐に、そっと抱かれているような。
肩の力を抜いてリラックスし、頭のてっぺんが天から引っ張られているように、上半身を維持しながら、崩れた半跏趺坐で座ります。 そのような姿勢をしていると、自然と昼間でも、立っていても、いすに座っていても、どんな時でも上半身はリラックスしています。
動かず静かにしていることで、ちょっとした動きの変化も、感じることはできます。
想いおこしてみると、生まれて初めて座禅(静功)を、真っ暗闇の中で1時間、深呼吸の要領で、何も分からないままに、ひたすら長く吐く呼吸だけに、意識を集中していて、結果的に、頭のてっぺんにある百会が活性化し、電子の輪の帽子を被ったような状態になったのが、そもそもの始まりでした。
静かに座っていると、体に微妙な変化をもたらし、何だろうと思いながら、ひたすら座り続けてきた結果が、今の自分なのです。
私にとって一日の中心は、昼間の仕事ではなく、深夜の座禅になっているような感じがいたします。 静かに座っているだけが楽しいのですから、昼間の起きているときの変化があることは、もっと楽しいということになるのです。