建築をめぐる話・・・・つくることの原点を考える       下山眞司        

                     ☆ 2019年1月より、故人が残したものを順次、掲載して行きます。☆

原型・・・・差物工法の模索・補足

2007-09-01 22:18:19 | 設計法

 上掲の図は矩計図。
 図面で分るように、尺をメートル(ミリ)で換算した寸法を記載している。
 この当時、まだ世の風潮に(つまり、メートル表記にせよ、という)おどおどしていた証拠。
 大工さんと話をしていて、おどおどすることが間違いの元、と確信を持った。
 実際、この現場は、ある工務店?が請負い、大工さんはその下請け、という立場だった。基礎と木工事は別。基礎はどういうわけか、単純に、1間=1800ミリで施工、ゆえに木工事と大きな誤差が生じ、修正に手間取った。図面の指示内容がきわめて大事、という大きな「学習」をさせてもらった現場。
 以後、木造建築では、尺・寸で指示することに徹している。大工さんに尺杖をつくってもらい、それを基礎屋さんにわたして基礎をつくってもらうようになった。
 そして、確認申請は、尺・寸表示の図に、それに換算した数字をわきにボールペンで書き込むだけ。
 設計図面は、施工のためが第一、単に確認申請は手続きに過ぎないのだから。
 ところが、いつのまにかこれが逆転し、設計図面が確認申請が主目的になってしまっていたのだ!

 天井を野地表しにできず、別途下から打上げにしているのも、これも、この当時、仕事がよく分かっていなかったということの恥ずかしい証拠。
 以後、「上向き」でする仕事になるような設計はしていない。
 実際、一部の建物を除いて(例えば、あとから天井に絵を描くなど)、下から見上げて仕事をするなどという無理な例は、日本の建物にはないといってよい。

 吹抜けの空間をつくるため、床暖房にした。
 床暖房を温風にしたのは、吉村順三さんを真似た方法。
 床暖房は温水が普通になっているけれども、いかに技術が進歩しているといっても、万一漏水したらおしまい。
 その点、温風なら、万一漏れても問題はない。そう考えて、3例実施した。
 しかし、以後はない。理由は単純。適当な温風発生機の生産が中止されたから。「適当」とは、熱量が適当で、効率がよく、静かな機種。
 このお宅では、冬、床暖房の床の上にコタツのやぐらを置き、布団をかけると、それで立派なコタツになる。

 それにしても、最近では、ますます住宅は閉鎖的になり、エアコン不可欠となり、そうしておいて「省エネ」を叫ぶ。ボタンの掛け違い以外の何ものでもない。

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