建築をめぐる話・・・・つくることの原点を考える       下山眞司        

                     ☆ 2019年1月より、故人が残したものを順次、掲載して行きます。☆

日本の建築技術の展開-15 の補足・・・・姫路城の配置

2007-04-24 16:58:38 | 日本の建築技術の展開

 城郭建築は、基本は防備。だから、建物の計画もさることながら、一帯をどのように計画するかが問題。姫路城の場合は、城の建つ姫山一帯の堀や石垣、塀・門の計画。
 上掲の図は、一帯の概略配置図と天守に至る門の位置を示したもの。下の写真は、「ろの門」を経て「はの門」に向う途中。
 実際に行かれた方は知っていると思うが、経路は屈折が激しく、まわりの状況から判断して歩を進めると行き止まりになり、しかも末広がりの広場状で行き止まり、などと言う場所もある。もしもそれが大勢だと、末広がりを逆にたどることになるから、道を引き返すのに時間がかかる。そこを城から襲撃する・・というわけ。もっとも、姫路城が戦闘の場になったことはない。

 つまり、城を計画した人物は、人は常にまわりの状況を判断して歩を進める、次の行動に移る、一人のとき、大勢のときの行動の違い・・などについて、熟知していたことになる。そして、通常の行動の裏をかけば城の基本ができる。
 そういう観点で配置を観ると、興味深い。

 このような感覚・感性を、当時の人たちは、工人、一般の人を問わず、持ち合わせていたように思う。戦国時代を中心に生まれる書院、方丈、茶室などのつくりかたにそれが表われている、と私は思う。これらは、「人の行動に対する理解」を真っ当に具現化した例だ。それがあるから、逆の発想で城をつくれたと言えるだろう。
 城と書院・茶室が時を同じくしてつくられた面白い時代、戦国・桃山。

  註 城とは関係ないが、人の行動と空間:周囲の状況との関係について
    洞察した名著があるので、ついでに紹介。
    O・Fボルノウ著 大塚恵一ほか訳『人間と空間』(せりか書房)

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