M小学校の体育館-4・・・・妻面の納まり

2008-06-21 21:18:11 | トラス組:洋小屋

[文言追加:23.38][図面更改:6月22日12.17]

巨大な切妻面の受ける風圧は、かなりのものがある。
この屋根は、トラスで組まれた三角柱が横たわった形。しかし、その立体だけで風圧に耐えるには無理がある。そこで、@1800mmの束柱と横繋ぎ材(いずれも□100×100の鉄骨)の一部にH-200×100を添わせることで、しのぐことにした。
外部は屋根面に沿った欄間以外は大壁(中空押出成型セメント板)、内部は、束柱の間にスギ板壁を真壁納めとしている。スギ板は目透かし張りとし、内部に吸音材を封入した(でき上がってみると、野地板の硬さが吸音効果を妨げ、若干反響が著しかった)。

最近、木造、鉄骨造、RC造を問わず、とかく「構造」は「隠れてしまうもの」「隠すもの」というような設計が多いが、私は賛成しがたく思っている。
つまり、舞台の書割り、その支えが構造だと考える人が多いようなのだ。
「構造体」をすべて表しにする、しなければならない、とは毛頭考えないが、「構造体」とはまったく無関係な「外皮」がつくられる傾向にはついてゆけない。

昨今の、杜撰な構造計算・構造計画が多発する現象は、ことによると、設計者の「構造蔑視」「構造無視」の考え方が結果しているのかもしれない。

それにしても、「構造体とは無関係な外皮」を、いったいどのようにして《発案》しているのだろうか。私には、まったく不可解・謎である。

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