余談・・・・法隆寺の境内

2007-03-22 20:41:55 | 建物案内

 法隆寺の建物をいくつか例に出しているが、ふと気が付いた。建築に関わっている人で、法隆寺などのいわゆる古建築を観に行く人が減っているのではないか、と。
 最近では、定番だった中学、高校の奈良・京都への修学旅行も減っているらしい。ある建築関係の人が集まる講習会でたずねてみたところ、「東大寺・南大門」を観たことのない人がいたくらいだ。
 「そうだ、京都行こう」などというコマーシャルに誘われて京都や奈良へ行っても、古建築などはあくまでも「観光」の対象、そこに建物づくりのノウハウを観ようなどという人は少なくなっているのではなかろうか(現代に役立つわけがない、と思っているのでは?)。

 それはさておき、今日は、何回も例に出す法隆寺の建物が、境内のどこにあるかを示す伽藍の配置図を載せることにする。
 画面の都合上、西院と東院に分けるが、両図はつながっている(スキャンの関係で、縮尺は多少ズレていると思う)。
 バス通りからの松並木の参拝道は図の下側になる。

 西院から東院への道の両側は「版築」の「築地塀」。時代が経っているので、風化して「版築」の層がはっきり見え、「版築」の工法がよく分かる。

 東院の前の南北に走る道を北へ向うと、法輪、法起寺を経て大和小泉の「慈光院」へ1時間半ほどで着く(「慈光院」は、昨年11月10日に、少し触れた)。


 次回は、西院回廊のすぐ東に、「東室(ひがしむろ)」とともにある「妻室(つまむろ)」の架構について。
 この建物は、寺院:学問所には必須な建物:僧坊であるが、「斗組」を使わない簡素な架構である。

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