脳トレ宇宙論 第18話 5%の宇宙①
(前口上)
宇宙とは何か 宇宙論パースペクティブ 宇宙進化の軌跡と未来
《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》
画家ゴーギャンが晩年に問いかけたこの疑問はすべ ての人間に問いかけている。
そして、科学者もそのことを追求して同じような問いに 辿り着いている。
地球はどこから来たのか 地球とは何か 地球はどこへ行くのか
宇宙はどこから来たのか 宇宙とは何か 宇宙はどこへ行くのか
「なぜ宇宙があるのか?(Why is there a universe?)」
「なぜ世界があるのか?(Why is there a world?)」
「なぜ無ではないのか?(Why not nothing?)」
存在とは何か、宇宙はどのようにして出来上がり、どのような構造なのか。そして生命とは何か、これらは 根本的問いかけである。
・現在、人類は宇宙の5%しか知らない!
最初の図に示すとおりである。宇宙の95%は未だ分からない。
乱暴な言い方であるが、知能指数的解釈をすれば「70未満はおろか5%の知的障害」かも。
あるいは、ソクラテスの「無知の知」あるいは「不知の自覚」とすれば、「無知であることを自覚することで、新たな学びを行うことを促進し、その結果無知を克服し成長する」ことであろう。・・・ということで本題の「宇宙とは何か」を概観してみよう。
・宇宙は何でできているか、またその占める割合は? (From Wikipedia)
つまり天空の星空から3次元空間的に広がっている広大な宇宙全体の成分は?
ダークエネルギー: 68.3%
暗黒物質(ダークマター): 26.8%
原子: 4.9%
原子でできている通常の物質は宇宙全体の5%にも満たない!
宇宙の成分はかつては光を含む電磁波による観測から求めていた。ところが、様々な研究を通じて必ずしも観測できるものだけが宇宙を構成しているとは考えられなくなった。やがて宇宙の成分は原子である物質ではなく、エネルギーの比で表されるようになり、むしろ未だ正体が判明しないダークマターとダークエネルギーとの割合が多数を占めるようになった。宇宙マイクロ波背景放射の観測や、その後の宇宙探査機WMAPや人工衛星プランクの観測によって、2003年以降、精度が高められ、現在の数値になった。
人類はその目に映る物質の根源や力の法則を明らかにする研究を続け素粒子物理学を構築している。それは宇宙開闢の様子さえ理論化に成功した。ところが、宇宙の研究においてこれらの考察が宇宙全エネルギーの4.9%程度にしかならず、残りの95%は、そのようなものがあるという程度しか理解されていない。今後の探究が期待される。
と書けば簡単に終わるが、この成果に到達すためには、科学者、技術者、さらにアマチュア天文家も含めた多くの人々による観測、思索、論文、さらに過ち、葛藤、ドラマ・・・が限りなくある。人類の知識を拡げてくれたこのような大勢の科学者、研究者、技術者に最大の敬意を表するとともに、これらに挑戦する今後の人々に大いに期待したい。
世界は挑戦者を待っている!
世界は夢の実現を待っている!
世界は日の出を待っている!