去る7月の中旬に友人を介して「パーティーでスチールを演奏して」という依頼がありました。
まさかスチール一台だけの演奏とは考えられなかったので「どなたかとご一緒に演奏するのでしょうか?」と伺うと私だけとのことでした。
そこで当日までの1か月間にスチール演奏用のカラオケを作成して対応することといたしました。
まず選曲です。皆さんが良くご存じのハワイアン曲、ポピュラー曲そして日本の曲のなかから20曲を選定いたしました。
次はアレンジですが、いずれの曲も同じ構成のアレンジとしました。すなわちイントロのメロディーが鳴ったあと1コーラスをカラオケとし、2コーラス目の前半をメロディー入りにして「バンド演奏(パアニ:インストルメンタル)」の雰囲気をだし、後半をふたたびカラオケにしてそのままエンディングに突入するという構成です。このようにすることによって、このカラオケをボーカル用としても使え、さらにはスチールとウクレレを途中で持ち換える演奏も可能となります。
さて、カラオケ作成ですが、手元に8トラックのミキサーレコーダーがあるのですが、これを使うと1か月で20曲のパート別録音をすることは不可能なので、手近な無料ソフト「パワータブ・エディター(PTE)」を使うことにいたしました。
PTEはメロディー部が3パート、ベースが1パート、そしてコード伴奏が1パートの合計5パートをアレンジすることが可能ですが、イントロやパアニ用にビブラホンの音、そしてベースとリズムの合計3パートを中心に残りの2パートをスチール・ソロとウクレレ・ソロに充てました。この2パートはカラオケ目的だけでしたら不要なのですがBGM用として、さらにはスチールまたはウクレレ・ソロのレッスン用にも使えるようにと考えたためです。いずれのパートも音のオン・オフが可能ですので以上の使い分けは簡単にできるのです。
具体的なPTEの譜面をご紹介いたします。これはある曲のイントロ部、最初の8小節、サビの8小節そしてエンディング部を示したもので、実際にはあと16小節プラス「パアニ」部分16小節があるというたった1曲でもかなり大掛かりな楽譜になります。
この楽譜をご覧になりながら「音」をお聴きください。「無料ソフト」にしては結構使えると思います。
カラオケ作成をスタートしてしばらくして主催者から「会員のお一人がギターで伴奏をしたいとのこと」という連絡が入りましたが、これは今までのシナリオを根本的に変更しなければいけないことを意味しました。すなわち自分ひとりでカラオケ相手に演奏するばあいには必要としなかった「コード表作成」や「サンプル音源作成」が絶対必要であり、もし時間が有れば事前にリハーサルをすることが望ましいのですが、結局リハーサルはできず、サンプル音源は1日前にそしてコード表に至っては徹夜で作成して当日の朝までかかるという始末でした。
アレンジ以外の作業が加わったため曲数も最終的には15曲を仕上げるのが精一杯でした。
ただ、ギターの方がベテランであったため、リハなしで臨んだ当日の演奏も無難にまとめることができたことは大変嬉しく思います。
コード表はレターサイズ(215ミリX280ミリ)横長一枚にに一曲ずつ合計15枚作成いたしました。私のわがままで世の中で通用しているコードとは異なるコードも使っているので他の方と合わせる場合にはコード表が絶対に必要なのです。
これの作成にもかなり時間が掛かってしまいました。
いよいよパーティーの当日となりました。会場はワイキキにある44階建ての超高級コンドミニアムの屋上に設けられたパーティー施設でした。超高級コンドだけあってガードが堅く、よそ者の入館にはガードマンが付き添うという厳重な警戒態勢でした。
まず正面の様子です。
アラワイ運河を介した遠望です。この写真中央が今回のコンドです。
そしてパーティー施設はその屋上にあります。
44階(たぶん)もあるのでかなり遠くが望めます。同じく44階程度のホテル「アイランド・コロニー」(写真左端の青屋根)と「ロイヤル・クヒオ」(その右のピンク色のビル)に挟まれた小さな16階建てのビル(緑色の縦線が入った)が私のアパートのあるビルですが、私のアパートはそれの2階にあります。(汗)
ちょうど日没時で、ハワイ・プリンス・ホテルの彼方に太陽がアッという間に沈んで行きました。
パーティー会場にはギターを担当していただく会員のほかに、なんとパキニ(ウォッシュタブ・ベースすなわち金盥を使ったベース)という珍しい楽器をお持ちの会員も参加され、この演奏の困難な楽器を自在に操っているのには感激いたしました。
周囲が暗くなってからはウクレレを演奏される会員も参加され、ボーカルも加わるなど段々と大掛かりなバンドに成長?いたしました。
今回は予想外の展開もあったため約一ヶ月間というものブログ更新はおろかメールの返事も出せず、心配した友人からは「何か気に障ることを言ったのだったら申し訳ない」というメールまで頂き、私のほうが恐縮してしまいましたが、どうにか平常時に戻りつつあります。
今回お話を頂いたことで15曲のカラオケが残りましたので、これを核にしてカラオケの追加作成を続けて行くつもりです。
でも切羽詰らないとできない、という性格では果たして続くのだろうかと我ながら心配しております。
============ 追記 ==============
ホノルルの無料日本語新聞「日刊サン」紙の翌週号にこのときの記事が載りました。
9月8日号 と 9月9日号 です。
金曜日ですとすぐ目の前に花火が上がるので独り占めできますし。
(残念ながらこの日は水曜日でしたが・・・)
3ヶ月に一回開催すれば一年で60曲の「カラオケCD付き豪華版練習曲集」ができそうですね。
PS
オータサン叙勲の祝賀会は盛況でした。
並河さん、清水(峰)さんに加えて、五十嵐(有)さんや津田さんもお祝いに来て下さいました。
日本ではタライそのものも消滅したか、有ってもプラスチック製のものしかないのですが、こちらではまだブリキ製でしかもプレスによる「絞り」ではなく折り曲げで作られていますので、まだ自作できる可能性が残っています。
でも有名な曲のタブ譜に対する要望が非常に大きく、一曲いくら、で売っている先生も居られるようですね。
実際には著作権使用料がバカにならないので出版はムリと思います。
とりあえず15曲の曲名当てクイズを実施しましょうか。全曲正解の方にカラオケCD贈呈という賞品つきで。
小生もスチールのカラオケを数曲(アオ、タケ、サンゴ、トロピカル)作って練習していますが、Mattさんのバンドスコア―を参考に自分も作って仲間と演奏できるようにガンバリます。
音楽作成ソフトで打ち込みして作るのですか。
すごいですね(^^)
最近、スカイプをやりたくなって、三井住友に1500円を振込に行こうと思ったのですが、
支払い番号をいれるところがわからずに、そのまま
戻って来てしまいました(TT)
なにか追加で必要なものがありましたらご連絡ください。
ただ、なにぶんにもタダのソフトですのでいろいろと制約があるのは止むを得ません。
スカイプのおかげで国際電話をせずに済み、大助かりです。ただ、こちらのネット環境が悪いため音声でも途切れるほどで、ウェブカメラなどとても使えません。