読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

小説より奇なり

2008-09-17 08:42:05 | 読書

船山馨の「幕末の女たち」を読んだ。河出文庫で九編の短編が収められている。小説は歴史小説以外は余り読まない。この本の巻末に清原康正と言う人の解説が有る。この人がどう言う人なのか知らない。小説家なのか評論家なのか。この解説の中に驚いた事が記されて有った。著者、船山馨氏は数々の作品を残し吉川栄治文学賞などを受賞し、昭和56年8月5日、午前7時10分、67歳で心不全により永眠した。夫人の春子さんは晩年の夫の看病をしながら「あなたの最期をみとったら、私もすぐにお伴します。」と言うのが口癖だったそうだ。その言葉の通り、夫人は夫が逝った日の15時間後の午後10時30分、通夜の席で同じく心不全で急死したと言う。