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「医療崩壊」でどうなるのか、医療者はもっと具体的に政治家や市民に示した方がよい。

2021-01-03 22:48:41 | 新型コロナウィルス感染症
 医療崩壊、医療崩壊と医療提供側が訴えても、政治家も市民も「医療崩壊」がもたらす悲惨さを具体的に想像できない。だから、想像力の欠如した政府は問題を先延ばしし、多くの市民の警戒心は緩んでしまっている。
亡くなった患者、患者家族や闘病中の人の苦しみを考えると、なかなか話しづらいと思うものの、事態はここまで切迫してしまった。想定されることは政治家や市民にもっともっと具体的に説明した方がよいと思う。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、集中治療室ICUはもちろん一般病棟、外来、検査、放射線診断、薬剤科、給食、事務方、委託業者や関係業者すべての医療従事者たちが自ら患者や感染者となり、医療に従事することが叶わなくなる。これが「医療崩壊」だ。

 筆者の脳裏をよぎるのはこんな現場の様子だ。

 高度医療は医療従事者なら誰でもできるという技術ではない。少ない人員で何とか治療行為を継続したとしても、人工呼吸器またはECMO体外式膜型人工肺、心電計、輸液ポンプの警報は鳴りっぱなしで、誰も駆けつけることが出来なくなる。想像するだに恐ろしい。

 軽症で済むとタカを括っていた若者は、何とか電話で受診相談センターに救いを求め、さらに救急車を要請できたが、救急隊員にも欠員が生じており、到着が遅れる。しかも、受け入れ先がみつからないため、救急車は市中を彷徨い続ける。患者はその間も呼吸が苦しい。ある若者の免疫機能は過剰反応し、高齢者の多くとは異なる反応「サイトカインストーム」を起こし、激しい全身症状を示す。
 救急隊員は苦しむ患者を一刻も早く医療機関に搬送したいのだが、どこもいっぱいだという。そうしているうちに患者の容体が急変し、全身がけいれんし、顔面蒼白、呼びかけに応じなくなり、呼吸が止まる。救急隊は受け入れを断ったきた病院の救急センターに駆け込もうとした。

 しかし、救急センターの前にはすでに2台の救急車が止まっており、それぞれの隊員たちが心臓マッサージを行い、気管チューブ挿入を試みていた。病原体をまき散らす可能性があり、リスクが高い。後から到着した救急隊員は救急センターに駆け込んだが、そこには収容し切れない数の患者がすでにいて、重装備の医師や看護師が交わす会話はマスクやシールドのためにくぐもってよく聞き取れない。怒号の飛び交う中、あちこちで心臓マッサージや気管チューブ挿入が行われていた。床には片づけることが出来なかった様々な包装フィルムやシートが散らかっていた。
 隊員は急いで救急車に戻り、別の隊員と心臓マッサージを交代した。一瞬、この処置で自分も感染するのだろう、と考えながらも、選択肢はなかった。
 救急センターには、すでに息絶えている患者さえいたのだが、死後の処置を施すことさえままならぬようだった。家族の付き添いもないまま、誰かが寄り添ってくれるのを待っているようだった。
 病棟はすでに満杯で、収容し切れない患者が救急センターに詰めかけていた。廊下で点滴をしている患者、もうストレッチャーも毛布もない。

 テレビで見た海外の病院の様子がもう目の前に来ている。
 たった今、リモート国会を開会して特措法改正をしなければならないのに。
 もう10年も前から罰則のない感染症法、新型インフルエンザ等対策特別措置法の瑕疵が指摘されていたにもかかわらず、2020年3月の特措法改正は一体何だったのだ。
 もはや、「国が」「地方自治体が」と言っている場合ではない。過ぎた時間は戻らない。それぞれの立場でできることをするしかないのだが、緊急事態宣言を発出しても、下支えとなる法整備がなされていなかったのは、やはり国の責任ではないだろうか。
 
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