宇宙では老化遅くなる?…線虫の実験で判明
読売新聞 7月6日(金)18時6分配信
宇宙では老化が遅くなり寿命が延びる可能性があることが、東京都健康長寿医療センターや宇宙航空研究開発機構などのチームが宇宙空間で行った線虫の実験でわかった。
人間にただちに当てはまるわけではないが、人間にも機能やDNA配列が似た遺伝子が存在し、老化の仕組みを探る手がかりになると期待される。5日の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表された。
研究チームは2004年4月に打ち上げられた露ソユーズ宇宙船で、体長1ミリの線虫数百匹を国際宇宙ステーションに運び、地上帰還まで計11日間宇宙に置いた。その結果、宇宙にいた線虫は、地上の線虫に比べて、神経や内分泌にかかわる遺伝子の機能が低下し、加齢に伴って蓄積するたんぱく質の量も減っていた。
特に機能が落ちた7遺伝子を線虫の中で働かなくする実験を地上で行ったところ、通常約80日の寿命が最大20日ほど延びた。宇宙での11日間は、地上の10日間に相当したとみている。
業界の話題、問題、掘り出し物、ちょっとしたニュース配信中。