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たからづか能

2006-09-10 22:39:32 | お出かけ
 説明によると年一回のこの「たからづか能」も今年で5回目になるという。いつも平日であったが、今回初めて日曜日に開催され、今回から50席ばかり指定席もできた。難しい古典の語りもあるけれど、衣裳の華麗さや笛太鼓も次第に若い人たちに馴染んできたのと、演目も今日は髷(女)物のせいもあろう若い女の客もずいぶん増えた。
出しものは狂言「茶壷」に仕舞「笹の段」「善界」「実盛」を挟んで最後はお目当て『熊野』ユヤである。狂言茶壷ではいつもの善竹隆司さんが難なくこなして笑いを誘った。『熊野』のシテは勿論お馴染みの梅若猶義さん、ツレ朝顔、ワキ平宗盛、ワキツレ従者と4人だけの出演だった。
物語の概要は平宗盛が寵愛の熊野を花見の宴に誘う、熊野は東国にある老母の病を
知り見舞いに行きたいと断る、宗盛は無理に花見の宴につれ出す、宴酣の時村雨の嵐となり熊野の舞いも宴も中止となった。その時、熊野の差し出す即興の歌が宗盛を動かして東下りを許すという筋。
30才台の頃初めてこの曲に接したた時一辺に好きになった。勿論その頃は素謡で
当時から「熊野」「松風」米の飯といって能楽を学ぶものの離せない曲目であった。特に熊野は仕舞にも小謡集にも親しまれてき、とくに老母の文の段や牛車での道行等は美辞麗句でよく口ずさんだものだった。
今まで素謡が主だった私の能も今日の全曲を通しの能楽を見て心から感激、すっかり魅了されてしまった。