あきお不定期日記

日常の思いついたことを不定期で書いてみたい。

大阪貸金業特区不承認に賛成

2010-10-16 21:37:01 | Weblog
 10月17日(土)
 政府は、橋下大阪府知事が提唱している「大阪貸金業特区」を認めないとのことである。
このことには、大賛成である。本年6月改正貸金業法が施行され、上限金利を大幅に下げ、サラ金による貸付もローン会社あわせてサラリーマンの年収の3分の1におさえられた。
今、サラ金業界は過払い利息の返還請求が続出し、大手の武富士までが倒産の憂き目に会っている。報道によると過払い金返還で1兆円になるとのことで、先を見ると到底やっていけない状態となっている。サラ金業界は普通でも苦しい状態なのに、この改正貸金業法の施行で輪をかけて苦しい状態となった。大阪府に登録されている貸金業者もどんどんと廃業している。
サラ金、商工ローン業者がどんどんと減っていけば、それに頼っていた個人・中小企業経営者の資金調達は大きく狂ってくる。
そこで、橋下知事は大阪府で営業している業者については当分の間借入を改正前の条件にしたいと政府に進言した。これが「大阪貸金業特区」である。
小生、橋下知事の政策には概ね賛成できるところが多いが、この特区構想については賛成しかねる。橋下氏は知事になる前の弁護士時代に大手サラ金業者の顧問をしていたと聞いており、またかかれた物をみた。サラ金業者の状況をよく把握しているのでこんな考えが浮かんだのであろう。
1昔前までの銀行はサラ金業者に資金導入をしていなかった。ここ10年ぐらい前から銀行とタイアップしたサラ金業者が林立してきた。小生は、何十年も昔、信用金庫に奉職していたとき、社内規約で貸金業者に融資などすれば免職との規定があった。それほど、貸金業者に対する規制は厳しいものがあった。
銀行は人様から預金を集め、その範囲内で貸し付けるのが本来の姿である。その銀行の今は、なかなか貸さないし、貸しても保証協会の保証を取れという。リスクを負わない。そんな状態だからお金がどんどん余る。そこで、サラ金業者と手を組んでサラ金業者から貸すようになる。銀行としては非常に効率が良い。
 やはり国の金融政策の貧困さではなかろうか。今回の改正法でも一度に行ってしまう。法改正から施行まで短期間に行う。セーフティーネットもしない。貸金業法の改正をスムーズに行うためには少なくとも銀行で受け皿を作らなければならないのではなかろうか。銀行と、貸金業者は格が違うという方も要るだろうが、所轄庁は同じ金融庁である。ここは知恵を絞り、金融政策を実行して欲しいものである。

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