あきお不定期日記

日常の思いついたことを不定期で書いてみたい。

私の甲子園賛歌

2007-08-23 13:25:30 | Weblog
 大会歌「ああ栄冠は君に輝く」の曲が流れ、両校の選手が広い甲子園球場のグラウンドを一周する。空は晴れ、雲が湧き、猛烈な暑さが球場をてらしているが、爽やかな風が頬をなでる時、もうすぐ秋だと感じる。球場を埋め尽くした5万の観衆は過ぎ去った戦いの余韻に浸っている。どちらもが勝ってほしい、いや勝たせてあげたい試合であった。特待生問題で揺れた高野連。皮肉にも特待生が一人もいない公立の進学校が佐賀路に優勝旗を持って帰った。佐賀北は甲子園で強くなった典型であろう。甲子園が精神的にも、肉体的にも、技術的にも彼らを強くさせた。大柄の選手はいない。みんな細身の選手で本当にごく普通の高校生である。彼らのプレーは見ていて気持ちがよい。全力でボールに食らいついていく。全力でプレーする。何といい学校だと当初から思っていた。タイムで連例がマウンドへ行く時も、審判団に丁寧に挨拶をし、帰るときも挨拶する。気持ちがいい。
これに対する広陵は伝統校であり、躾もよく行き届いている。この学校も甲子園の常連校であるが傑出した大型の選手はいなく、よく訓練されたまとまったチームである。何か初々しさが残るチームである。5本の指に入る私の好きなチームである。
わずかの隙に佐賀北に勝利が微笑んだ。実力は正に伯仲だった。もう一本優勝旗があったらなあと思ったのは私だけであろうか。
それにしても佐賀北は甲子園でいろいろな体験をした。こんなに多くの体験をした学校は他にあるだろうか。ランニングホーマーをはじめ、宇治山田との引き分け再試合。あの帝京との死闘と劇的な勝利。今日の優勝戦の大逆転満塁ホーマー。胸にジンと来るものばかりである。
 高校野球の真髄を見せてくれた両軍選手に心からお礼をいいたい。先日亡くなられた大の高校野球フアンの阿久 悠氏がご存命ならばどんな詩を書かれただろうか。いえることは両軍選手への感謝の詩ではなかっただろうか。
 89回大会は終わった。秋風が甲子園を包むだろう。猛暑だった関西にも秋が訪れる。

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