A Challenge To Fate

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【地下アイドルへの招待】第8回 頭のネジをユルめる系女子~SAKA-SAMA(サカサマ)/nuance(ヌュアンス)/必殺エモモモモ‼(エモ4)

2018年07月19日 01時13分23秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


地下アイドルへの招待  
第9回: 頭のねじをユルめる系女子

DJ Necronomicon ネクロノミコン(aka 剛田武)



昭和時代に「頭のねじがゆるんだ奴」と言われたら、赤塚不二夫『おそ松くん』のハタ坊のように、「ダジョー!」と言いながら、頭の上の旗をなびかせて町を行く、なんにも考えていないし、なんにも分らない、ただ漠然と生きるいじられキャラを指したが、平成初期のバブルやオカルトブームに浮かれた快楽の果てに辿り着いた大量殺戮未遂事件を経て、我武者羅に真面目一本で生きるだけが人生じゃない、回り道をしても迷子になってものんびりゆるく生きようよ、というオルタナティヴな選択肢を選ぶ老若男女が増えてきた。80年代お笑いブームは21世紀には「芸人」というジャンルとして定着し、ボケとツッコミの境界が曖昧になる[*]現象も観測されている。パンクやメタルが徐々に血の気の多い年配層の支持を集める一方で、90年代以降、ローファイや脱力系と呼ばれる非音楽家的スタイルが、人気を博す流れが生まれている。アイドル界では「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージをもったゆるめるモ!が象徴的だが、頭のネジをメルトダウンするためにもっとバラエティに富んだユルめ系女子が次々出現中。しかし注意が肝心。「ユルいアイドルを聴破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とまことしやかに囁かれるほど中毒性の高いドープな世界なのであるからして。
*読者からのご指摘により「ボケ側に支持が集まる逆転」⇒「境界が曖昧になる」に修正しました。(2018/7/21)


SAKA-SAMA(サカサマ)


2016年12月に結成された4人組“Lo-Fiドリームポップアイドル。トラッシュ・カルチャー・マガジン『TRASH-UP!!』がプロデュースを手がけ、ドリーム・ポップ、パンク、ブレイクコア、カントリーなど様々なジャンルの楽曲が現代的なアイドル・ポップとして再構築された親しみやすいサウンドが魅力。メンバーは寿々木ここね、Dr.まひるん、あいうえまし子、に加え2018年6月加入の瀬戸まーな、ミ米ミ(みなみ)の5人。名前を含め、ヲタクの緊張感を一気にユルめてくれそうなメンバーの雰囲気は、ほのぼのを通り越してダラダラなMCやステージ進行に反映されている。それが嫌かと問われたら、嫌いどころか好き好き大好きですよと答えるしかない精神的不条理の轍は、夢野久作『ドグラマグラ』の主人公の隣の病室に入院している狂少女、呉モヨ子の生まれ変わりなのかもしれない。新メンバーの現場は未体験なので、逆さまエナジーが逆回転しているかもしれない。

SAKA-SAMA 新曲「物語はいつも」(2018.06.15 新宿Motion)



nuance(ヌュアンス)

 
2017年3月、横浜の商店街が企画するイベント「ガチでうまい横浜の商店街No.1◯◯決定戦」のテーマソングを歌うアイドルユニットとして一般公募で選出された「横浜の宝」と呼ばれる4人組。メンバーはmisaki、わか、珠理、みお。いわゆる《アイドル》とは一線を画した雰囲気のある楽曲と、歌詞の世界と質感を大事にしたクオリティの高いパフォーマンスが特徴、とのことだが、「ヌュ」という脱力ネームのイメージは、横浜アンダーグラウンドを象徴する自主レーベル「クラゲイルレコード」所属だとしても可笑しくない。同時に中井英夫『虚無への供物』の作中に登場するシャンソン歌手たち、シュザンヌ・デーリー、ジェルメエヌ・モンテロ、リーヌ・クレヴェールらへのオマージュとも解釈できる。サウンドやルックスはユルさよりも、名前に似合わぬ大人のポップス感があるが、横浜と聞けば吉野大作や陰猟腐厭やPTP’sを思い浮かべる地下音楽ヲタクにとっては、格好の妄想ネタと言えるだろう。

【nuance(ヌュアンス)】nuance × 絶対忘れるな『ぜっなシンドローム』



必殺エモモモモ‼(エモ4)


2017年8月20日デビュー「エモかわいい」がコンセプトのエンタメ系ロックアイドル、略称エモ4。メンバーは四ノ宮えんま、ゆい、みくる、みなせ。候補生制度があり、姉妹ユニット「バカは死ぬまでなおらない。」と兼任しているメンバーもいる。2018年6月24日に活動休止したが、7月29日に第二期メンバーで復活するらしい。実は筆者は2,3度観ただけなので事情はよくわからないが、運営が過激な発言で炎上する事が多く、メンバーの脱退や活休が茶飯事との噂がある。奇矯なグループ名で明らかなように「正しい」アイドル像を無視したとこころからスタートしている。ライヴでは名前の通り魔王チックなリーダー四ノ宮えんまのツンデレなパフォーマンスとヲタクを見下したMCに煽られて、自らのヲタクとしての存在の耐えられない軽さを実感してマゾヒスティックな快感に浸ることができる。ワクテカともカチアゲとも異なる弛緩した精神状態は「ユルめの緊縛」の美学に通じる。

【振りコピ】必殺エモモモモ‼本人がヤンデレボリューション踊ってみた【夜路死苦】



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3 コメント

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老婆心ながら (Unknown)
2018-07-20 21:09:03
通りすがりながら、一箇所気になる部分があったのでコメントします。
「ボケとツッコミのボケ側に支持が集まる逆転現象も観測されている」とはどういう意味でしょうか?

漫才という芸において、ツッコミよりボケの方が人気があるというのはエンタツ・アチャコの昔以来の伝統であり常識です。
例えば漫才ブームでいえばビートたけし、島田紳助、島田洋七といった人達がボケで、ビートきよし、松本竜介、島田洋八といった人達がツッコミです。どちらが人気者だったかは言うまでもないでしょう。
だから、ボケとツッコミのボケ側に支持が集まるのは逆転現象でも何でもなく普通のことなのです。
むしろゼロ年代以降、くりいむしちゅーの上田晋也やフットボールアワーの後藤輝基といったツッコミ芸人がテレビ局に重宝される(ひな壇番組で仕切りができるから)傾向が現在に至るまで続いており、「ツッコミ側に支持が集まる逆転現象」なら起きてないこともないですが(それとてテレビの中の狭い世界の話であり、寄席では全然関係ないですが)その逆は無いんじゃないでしょうか。

もしかしたら、いわゆる「天然ボケ」とか「不思議ちゃん」といった種類のボケのことを指してるのかもしれませんが、それは「芸風」や「キャラ」というもので、業界の専門用語であるところの「ボケとツッコミ(太夫と才蔵)」とは何の関係もありません。
また仮にそれを指していたのだとしても、例えば「欽ドン」の気仙沼ちゃんに代表されるいわゆる「天然ボケ素人芸人」は70年代からずっと人気者であり、こちらでも「逆転現象」など起きてません。

どういう意図でお書きになったかわかりませんが、私が読むかぎり何か思い違いをしているように見受けられたのでコメントさせていただきました。
結論として、自分の知らないジャンルから例えを引用する時は、充分リサーチをした上で慎重になさった方がよいと思います。
感謝 (miro)
2018-07-21 10:01:38
コメントありがとうございます。ご指摘の箇所は勢いに任せて書いたものの、あとできちんと調べなければと思ったまま調べもせず、気になっておりました。
丁寧にご説明いただき勉強になりました。まさにおっしゃる通り、自分の知らないジャンルから例示に引用する際は注意したいと思います。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。
こちらこそ (Unknown)
2018-07-22 12:43:36
ぶしつけなコメントに丁寧に対応してくださりありがとうございます。
「ボケとツッコミの境界が曖昧になる」というのは、さまぁ〜ずやサンドウィッチマンのようなコンビを見ながら私もよく感じていました。的確な修正だと思います。(上から目線な言い方ですいません)

私もアイドルやジャズといった知らないジャンルについて勉強させてもらってます。
これからも楽しいブログを期待してます。

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