A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二 -2018年最終公演-『不失者』@高円寺ShowBoat 2018.12.30 sun

2019年01月02日 00時29分43秒 | 灰野敬二さんのこと


12月30日(日)東京 高円寺ShowBoat 

灰野敬二 Keiji Haino -2018年最終公演-
不失者

open 18:00 / start 19:00 *終演時間未定
adv.¥4300 / door.¥4800

灰野敬二は12月上旬にブラジルを訪れて、リオデジャネイロのNovas Frequências Festivalに出演した(12/9 Teatro Odisséia)。日本から一度乗り換えてのべ30数時間かかる南アメリカでの初公演だった。ブラジル最大の実験音楽フェスの最終日に出演、超満員のソロライヴは大歓声に包まれ大成功だったという。



2月フランス、3月オーストリア/イギリス、4月ベルギー/ドイツ、6月アメリカ(シンシナティ)、8月アメリカ(ロサンゼルス/サンフランシスコ)、9月スウェーデン/デンマーク/ノルウェー、10月カナダ、12月ブラジルと海外公演ラッシュだった2018年の締めくくりとして、恒例の年末公演が高円寺ShowBoatで開催された。入口には「終演時間未定」と掲示されている。終電時間ギリギリになる可能性があると言う意味だろう。10年前はオールナイト公演だったことを思い出す。



昨年末および今年の生誕ライヴに続きバンド不失者のワンマン公演。メンバーはナスノミツル(b)とRyosuke Kiyasu(ds)。1978年に白石民夫とのデュオとして始動した不失者の40周年に当たる2018年の集大成に相応しい凝縮されたライヴ空間は、初めてのShowBoatで初めて不失者を観た2001年秋のモノクロームの記憶を呼び覚ますお香の香りと地下のライヴハウスの湿った空気もそのままに、17年間灰野を見続けてい来た星霜の堆積を一新するかの如く斬新な一期一会を経験させてくれた。
不失者@高円寺ShowBoat 2017.12.30(sat)
灰野敬二 生誕記念公演 不失者@高円寺ShowBoat 2018.5.3(thu)



第一部、CANやNEU!等のクラウトロックを思わせる反復フレーズを奏でるベースとドラムにハーディーガーディで絡む展開は、ソロ楽器とされるこの砲弾状の擦弦楽器の誤用の最たるものとしてハーディーガーディ史に残る快挙に違いない。27分の演奏に続き、断続リズムのリピートにアイリッシュハープを十指で弾き続ける解体的トラッドから、ドラムとベースが互いに牽制しあうように蛇行する間隙をギターで切断しながら螺旋状に絡ませた歌声と共に舞い上がる言葉は、聴き手の生温かい頭にすべての謎を注ぎ込む。始まってから30分も経たないうちに脳内のアドレナリンが無力化され、意識の伝達がスローモードに切り替わるのを感じる。言葉で考えることを放棄し、音の波状攻撃に降伏することで、優しさの渦に身を任せることとした。意識の真空地帯に陥ったまま2時間、ポリゴノーラの葉脈のバイオニックメタルの周波数に反応してシナプスが再起動され20分の休憩時間に息を吹き返した。



第二部は従来の不失者レパートリーを更新するような大音量ハードロックが中心。深いリバーヴがサウンドだけでなくビジュアルにも適用され、相当な音圧にもかかわらず耳も目も苦痛を感ずることなく、意識がパフォーマンスと滲み合う。音響と映像が脳幹に届くタイミングのズレが大脳皮質の振動に僅かな歪みを生じ、記憶中枢と感覚中枢の活性力の差が拡大されるので、右脳と左脳の機能の違いが中和され、全脳が一気に加熱・冷却を繰り返す。それは恰も人間の実存が深呼吸するように、「我想う我有り」という安易なプロパガンダに対する、非暴力(アヒンサー;अहिंसा)主義の世界革命戦争宣言であった。共に闘い抜いた同士の連帯感は世の中で最も美しく残酷なドリームポップナンバー「ここ」として共有され、ギターのアルペジオの最後の残響が消え去ったとき、時報が深夜12時を告げた。名残を惜しむアンコールに応えて再登場した3人は短くも密度は数時間分に匹敵するインスト演奏で旧年の煩悩を葬った。

不失者 2018.12.30 sun 高円寺ShowBoat


斯様な濃厚な時間の流れが天体の動きに影響を及ぼし、来るべき宇宙の終焉を少しだけ先に延ばす助けになることを祈りながら、2019年末も同じ公演の場に立ち会う決心を固めた。

Ryosuke Kiyasu in Fushitsusha - December 30,2018 - Highlight(2019.1.4追加)


新年も
信念変わらず
ライヴ好き

<灰野敬二2019年ライヴスケジュール>

1月6日(日) 東京 六本木SuperDeluxe 

Keiji Haino | Dōjō | Kukangendai
灰野敬二|道場|空間現代

Open: 18:00 | Start: 18:30
前売/Advance: ¥3,000 | 当日/Door: ¥3,500
ドリンク別/Plus drink

ライブ:
★ 灰野敬二 Keiji Haino
★ 道場 (八木美知依&本田珠也) Dōjō (Michiyo Yagi & Tamaya Honda)
★ 空間現代 Kukangendai
BGMセレクター:
★ 生西康典 Yasunori Ikunishi


1月17日(木) 東京・青山 月見ル君想フ

月見ル君想フpresents
編む言葉—触れる・揺れる・震える—
op 19:00 / st 20:00
料金:前売¥3500/当日¥4000(+1D¥600)

出演:
・灰野敬二(http://www.fushitsusha.com
・サクライケンタ(https://twitter.com/sakuraikenta
・コショージメグミ(Maison book girl)(http://www.maisonbookgirl.com
・Taigen Kawabe(BO NINGEN)(http://boningen.info


1月25日(金) 東京・高円寺ShowBoat 

サンヘドリン ONE MAN LIVE
開場 18:30/開演 19:00
前売¥4,000/当日¥4,500(税込・別途ドリンク代¥600)

【出演】
サンヘドリン
 灰野敬二
 ナスノミツル
 吉田達也

【問い合わせ】
ShowBoat
■Tel 03-3337-5745(14:00~23:00)
■Mail info@showboat.co.jp


1月27日(日) 東京 秋葉原クラブグッドマン 

GIGADISCO vol.2
開場12:30- 開演13:00- 終焉22:00
予約 ¥3,500/当日¥3,800(+1drink)

出演:
灰野敬二
美川俊治
山川冬樹
宇川直宏
FUCKER!!
テンテンコ
HIKO
hell stepper(Naoki Nomoto+F∞xLaser aka 100take)
イッシー
沖縄電子少女彩
GALCID
牧野由紀
ASTRO
若林美保
rhy-s(depth)
HIKO
阪口昌祥
森田潤
小浜田知子
HATAKEN
CD HATA × KOYAS
etc.


5月3日(金・祝) 東京 渋谷WWW

不失者
開場 17時/ 開演 18時
前売 4500円(ドリンク代別)
30歳以下は当日受付にて500円キャッシュバック

使用機材の増強を計画中。
プレイガイド先行受付は1月中旬を予定しています。
詳細 yo asa
ジャンル:
ウェブログ
コメント (3)   この記事についてブログを書く
« 【JazzTokyo#249更新】春日井... | トップ | 【地下アイドルへの招待】第1... »
最近の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
東京の方が羨ましい。。。 (辺)
2019-01-03 10:29:36
あけましておめでとうございます。

ブラジル公演、大盛況ですね。凄い喝采!
https://www.instagram.com/p/BrNFOqFFGHp/

去年は観れなかったので、今年は灰野さんのライブ観に行きたいですね。
もう一つの神への道 (haragaki)
2019-01-03 21:16:25
ナスノ氏とkiyasu氏による10分に渡る反復ビートの後、ハーディーガーディを抱えた灰野さんが登場し、深いリヴァーヴの音響が一挙に鳴り響いた瞬間、「来た!」という感覚が全身を貫きました。何が来たのかはわからないのですが(笑)。

いや、やはりこう言い直しましょう。あの瞬間、神が来たのです。何もせず、まったく個性の無い神とは似ても似つかぬ、もうひとつの神、つまりロックの神が。
その結果、サード・イヤー・バンドとブルー・チアーのありえない野合が生まれ、<ロックのネクスト・レヴェル>たる不失者は、<ネクスト・ネクスト・レヴェル>のディメンションに突入しました。その瞬間に立ち会えた僥倖を、いまもまだ噛み締め続けています。
いやあ、この余韻だけで、今年一年持ちますね(笑)。灰野さん、ありがとうございました!

そして辺さん、あけましておめでとうございます!
いきなりですが、年末に、「不失者聴いてる人ってどういう動機なんだろう」と呟いてた方と、やりとりなさってましたよね? 「ロックだから聴いてる」「すっきりしたいから聴く」とシンプルに力強く答える辺さんを、頼もしく思いながら拝見しました。
僕ももちろん全面的に賛同ですが、ただひとつだけ意見を述べさせてもらえば、「すっきりしたくない」ときに、あえて不失者を聴くという選択肢もあると思うのです。
「すっきりさせたくない」「この件は絶対に忘れてはいけない」というモヤモヤを抱え込んでしまったときに、あらゆる権力に<否!>を叩きつける不失者を聴くことで、絶対に忘れてはいけない記憶の強度を深化させるやり方も、僕はあると思うんですね。

いま、僕は自分のYouTubeチャンネルで、Fela Kuti の「Water no get enemy」を使って、こういうメッセージを送っています。

https://www.youtube.com/channel/UCx_gahJ15lxomku2JTwVn4A

といってもこれ、チャンネル登録者しか見ることができない、地味きわまりないプロテストなんですけどね(笑)。
でも、メッセージに共感してもらえれば嬉しいです。今年もよろしくお願いします。
haragaki様 (辺)
2019-01-06 11:59:24
あけましておめでとうございます!!!

>「すっきりしたくない」ときに、あえて不失者を聴く

なるほど、そういう聴き方もあるんですね!
「絶対に忘れてはいけない記憶の強度を深化させるやり方」、心に刻みます!

1月25日(金)サンヘドリン観に行こうと思っています。

コメントを投稿

灰野敬二さんのこと」カテゴリの最新記事