A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

トニー・コンラッド×灰野敬二@六本木 Super Deluxe 2008.9.17 (wed)

2008年09月19日 00時21分38秒 | 灰野敬二さんのこと
トニー・コンラッドは60年代から活動する音楽家/映像作家である。これまで前衛作曲家ラ・モンテ・ヤングやヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケール、ファウストなどとも共に活動してきた。勿論ソロ活動も行い独自のミニマル・ミュージックを創造したり、「The Flicker」を始めとする映像作品を作ってきた。
日本では特にファウストと共演した「Outside The Dream Syndicate」が幻の名盤として語られ、マニアックなロック・ファンに名前を知られてきた。
彼がこの度横浜トリエンナーレ参加のため来日し、その機会に灰野さんと初共演した。奇跡の共演を観ようと会場は150人近く入り大盛況。若い人が多い。
コンラッドの音楽性から想像していた通り、灰野さんはギターは弾かず電子楽器とエスニックなアコースティック楽器を使った。
生で見るコンラッドは68歳にしては若く見える風貌で、ビール腹(失礼!)と中折れ帽がトレードマーク。表面を黒く塗ったヴァイオリンで変化の少ないロングトーンの通奏低音を奏でる。
1万円札を草笛の要領でビーッと鳴らして登場。お札をヴァイオリンの弓で弾いたりもする。
第1部は灰野さんは発信器、ヴォイス、エアシンセ、ハーディーガーディーを演奏。特にハーディーガーディーとヴァイオリンの共演はどちらも擦弦楽器なので、蝸牛が二匹匍匐し絡み合うようなドローン音響が心地よい。
第2部は灰野さんが様々なパーカッションを中心にビヨンビヨンという創作弦楽器などを使用。オリジナルの歌も聴かせる。コンラッドはヴァイオリンの他にミシン(!?)や金属線で繋いだ缶にコンタクトマイクを付け演奏。かなり二人の息が合ってきたようでドローン音響の中にも人間臭いビート感が生まれる。灰野さんは相当気に入ったのだろう、終わる時間になってもコンラッドに演奏を促していた。最後もコンラッドがお札をビーッと鳴らして終了。80分を超える熱演だった。
第1部はダークな呪術性に、第2部はトライバルな即興性に満ちた演奏。まさに天才同士の出会いを間近に経験した夜だった。

コンラッド
灰野踊らす
ビール腹

私の隣にキャメロン・ジェイミーが座っており演奏が終わると大声で喝采していた。



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9月16日はグラム・ロックのヒ... | トップ | デザイナーの死を乗り越えて... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

灰野敬二さんのこと」カテゴリの最新記事