A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

八十八ヶ所巡礼@新宿LOFT 2014.8.18(mon)

2014年08月20日 01時25分24秒 | 素晴らしき変態音楽


八十八祭
八十八ヶ所巡礼




迂闊にも、八月八日八王子できゃりーぱみゅぱみゅ天国の扉公演にウツツを抜かしていた日は八十八ヶ所巡礼のレコ発日であり、新宿LOFTで「八×八祭」が開催された日で在った。過去ブログを検索したところ、一年以上八八についての記事を書いていない。昨年九月発売の4thアルバム『0088』はフラゲして、相変わらず濃厚な妖怪ロックに舌を巻いたのは確かだが、何となく機会を逃して紹介しないまま。ライヴも他との被りで行けず仕舞いで、1年半もご無沙汰してしまった。昨年半ばは『あまちゃん』とアイドルに関心が向いていたので、暑苦しいプログレサウンドに着いて行けなかったのかもしれない。MVが本人出演なしのアニメだったせいもあろう。



で、今年の初夏。でんぱ組の躍進とBiSの解散で、アイドル熱(フィーヴァー)が多少落ち着き、大森靖子がメジャーデビューを決め、キノコホテルとアーバンギャルドが新作をリリースし、女子アーティストへの懸念が解決し一段落したところで、さて男子諸君は如何?と見回してみたところ、灰野敬二や非常階段ら地下音楽、クロマニヨンズやThe Birthday、浅井健一らロケンロー勢の健在ぶりに比べ、若手バンド男子はイマイチ刺さらないことに気付く。長くてヘンテコな名前のバンドを勉強してみたが、気になるのはゲスの極み乙女。Czecho No Republic、テスラは泣かないなど女子メンのいるバンドばかり。男子オンリーのバンドはGEZAN、BO NINGENを除けば記憶に残らない。心に残る女子禁制バンドはおらんかのぉ?と考えていたところに八八新作情報が届いた。無性に観たくなりきゃりーと被り無理な「八×八祭」の十日後八月十八日に「八十八祭」があることを知り、四の五の言わずに即予約。



お盆明けの平日月曜日、一年でも最も憂鬱な哀愁のマンデイ/I Don't Like Mondays と言えるかもしれない。そんな日に希代の変態バンドを観に来るのは、大半がうら若き女子群。前髪ぱっつんサブカル女子風が散見され、アーバンギャルとの近似性も指摘出来よう。てか、マジ女子ばっかで、一昨日に続きステージの見晴らしが良い。それは大歓迎だが、GEZANにしろBO NINGENにしろ、お気に入りの男子バンのフォロワーが女子ばかりなのは、一体どうした訳だろう?筆者の感性が二周り以上年下の女子とリエゾンしてしまうのは、世界が今、若輩女子中心に回っていることの証か?男子諸君は最早アイドルかボカロかコミケにしか現れないのか?バンド男子を探すより、一般男子の素行調査をするべきかもしれない。



新作『攻撃的国民的音楽』英語にすれば"Aggressive national music"は、正にタイトル通りアグレッシヴなサウンドが躍動する傑作。前作『0088』は、ある意味高圧的でエリート的な難渋さが挑戦状のようなコンセプトがあったが、今作は攻撃的だが、タイトル通り国民=ファンに判り易い音楽を展開している。1曲目「赤い衝撃-R.I.P.-」こそ好例で、凄まじく複雑怪奇なバンドアレンジに関わらず、哀感たっぷりの力強いメロディーが心にストレートに突き刺さる。判り易いことやポップであることを追究するために、難解さや変態性を捨てる必要はないことを証明している。普通のレコードやCDに比べて情報量と音数が十倍以上詰め込まれた八八サウンドがたっぷり堪能出来る。



それはライヴでは更に顕著になる。怒濤という画数の多い漢字を音楽にしたのが八八のライヴ演奏だといっても過言ではなかろう。"愛国心はあるか?貴様ら。"と問われて「イエス」と答えるのに、誰でも一瞬躊躇うに違いない。躊躇という漢字を音にした濃さと重さも共有するのが八八の世界である。世界が崩壊する様を断言調、疑問調、命令調で歌う歌詞と、中指立てて日本万歳!と叫ぶ煽りの真意は、本人に語って欲しいところだが、八八は極端にメディア露出が少ないことで有名である。楽曲と演奏の情報量だけで、あとは聴き手に任せる姿勢は、実際は表現者にとっての理想郷なのかも。音楽よりも言葉が先んじるSNS世代に対する警鐘といえるかもしれない。

▼新MV「攻撃的国民的音楽」⇒写真をクリック


八十八ヶ所巡礼公式サイト

八八の
ライヴを観た夜
脳が痛い

▼物販グッズも極端に少ない。左)今回の目玉グッズ:LiveCDと団扇/右)3年前のオヘンロさんが最も喜ばれそうなグッズだった。
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