A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

東山魁夷生誕100年展@東京国立近代美術館

2008年04月13日 22時02分51秒 | アート!アート!アート!
メシアン同様、今年生誕100年を迎える画家東山魁夷の展覧会を観てきた。作品100点、スケッチ・習作50点を集めた今までで最大の回顧展である。
東山魁夷というとよく銀行のカレンダーなどで使われる画家というほどの認識しかなく、それほど興味はなかったのだが、新聞の懸賞でチケットが当たったので出掛けた訳だ。丁度昨日テレビ東京の「美の巨人」で特集されていたので結構な賑わいだった。
20歳過ぎまでに肉親を亡くし、戦争も経験し、絶望のどん底にあった魁夷の作品は、殆ど風景画であるが、くすんだ暗い画面に希望の光を思わせる鮮やかな色を取り入れ、救いを求める彼の心象風景を描き出したものだった。
60年代には北欧を旅し画風が変化して行く。極寒の自然の中に活き活きと生きる人々の営みに感化されそれまでの自分の絶望をポジティヴに捉え直し幻想的な風景画へと移行して行く。今まで以上に幽玄な精神世界を探求することになる。
その後画面に白馬の幻影を表したメルヘンチックな作品や京都に日本的な風景を追求した作品などを手がけ、70年代には奈良の唐招提寺の障壁画を7年に亘って制作することで自らの精神性を深めて行くことになる。壮大な障子画には魂が洗われる気分になった。
今まで日本画を真剣に観たことは無かったのだが、魁夷の深遠な世界には虜になった。歴史の重みを体現した芸術家の凄みを感じさせる展覧会だった。
東山魁夷展 HP

紙の上
仄かな陰影
魅せられて

水墨画の侘び寂びの世界にも感化された。私も墨で何か描いてみるか。
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NHK交響楽団@NHKホール2008.4.12(sat)

2008年04月13日 00時43分52秒 | 素晴らしき変態音楽
最近妙にクラシック付いている私だが、今日は天下のN響の定期公演第1617回を観に行ってきた。プログラムは先日紹介したオリヴィエ・メシアン「トゥランガリラ交響曲」、指揮はミュンヘン生まれの準・メルクル。土曜日なので午後3時からのマチネー公演だ。
それにしても観客は壮年が多い。平均年齢60歳くらいだろうか。現代音楽だからもっと若い世代が多いと思っていたのだが。
今日のチケットは一番安いE席1500円を取ってみた。S席が8150円だからその1/5以下の貧民席である。どんな席なのか、それも興味あった。
本編の始まる前にロビーでチェロ,ハープ、マリンバからなる室内楽の演奏があった。なかなか気の利いた計らいだ。
さて席は3階席の後ろ半分で自由席である。いわゆる天井桟敷であるが観客は結構一杯入っている。オーケストラ全体が見渡せるし音も良く、悪くない席だ。しかし楽団員の個々の動きが余り見えないので動きが無く、観ていると眠くなる。演奏はまろやかで迫力もあり素晴らしかったのだが80分間休みの無い演奏だから、どうしても瞼が重くなってくるのだ。前半は半分くらい眠ってしまった(汗)。前の方の席だったら眠る暇もなかっただろう。やはり良い席で観るに限る。小中学校の頃市民ホールにオーケストラを観に行って寝てしまったことが良くあったが、あれも前の方の席で観ればまた違ったのかもしれない。
終演後オンド・マルトノを近くで見たが、アールデコ調の電子オルガンのようで変わった形のスピ-カーが4台くらい置いてあり前世紀の遺物的骨董品だった。ちなみに「オンド」とはフランス語で「電波」の意味で、「マルトノ」は発明者の名前だそうだ。
NHKホールから代々木公園に向かう道がストリート・ミュージシャンのメッカになっていて面白かった。島根から出てきたという女の子二人組の「ことのは」が気に入った。普段は中野でやっていて今日が代々木公園デビューだという。
帰りにレコファンでクセナキスの中古CDを買って帰った。

クラシック
眠くなるのは
席の所為

映像は前回の続きで第5楽章の「星の血の喜び」。ピヨ~ンというのがオンド・マルトノ。



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