ごまブログ

護摩ことごまべーぐるが、ハロプロや日常について書いてたり書いてなかったりするブログです。

小説なんぞ書いてみる

2011-09-21 23:39:37 | デイドリーム・ビリーバー
―――― 聖は浅い眠りから目を覚ました。

意識を戻してしばらく、だるい頭で今の状況をようやく把握する。
隣には、掛け布団から裸の肩を出した同期の衣梨奈がいた。
すやすや眠っている。

『…しちゃったんだ』

枕もとの時計を見上げ、聖は2時間ほど前の事を思い出す。


一体なにがきっかけだったか。

ツアー先のホテルで相部屋となり、いつものように楽しく喋っていたら。
キスをしたことがあるか、という話題になった。
先輩の道重さゆみがリーダーの高橋愛にライブ中キスしていたことを、聖が『そういえば』と思い出して言ったのが
きっかけだった。

「えりはしたことないと。
聖は~?」
無邪気に尋ねる衣梨奈に、つい小さく吹き出してしまった。


それから思い出しても言葉では言い表せないような、妙としか表現しようのない雰囲気になり。
どちらからでもなく、唇を合わせてしまった。

『丸い目だなあ』
衣梨奈の顔を間近で見て、そんなことを思ってしまった。
唇を離したあと、聖が衣梨奈の鼻の頭をぺろっと舐めると、衣梨奈はくすぐったそうに笑い、目を細めた。


一度キスをすると箍が外れる。
聖は学んだ。
衣梨奈の細めた目に手を伸ばし、指で瞼に触れ。
衣梨奈が聖の頬に口づけし。
聖が深いキスを仕掛け。

そう繰り返してるうちに、自然と服を脱いでベッドの上に座り、長い間見つめ合っていた。



『まいったなあ』
一連の出来事を思い出し、聖は思った。

嫌いじゃないし、むしろ好きだけど、この子のこと。

『…しちゃってよかったのかな』
小さく溜息をつく。

隣の衣梨奈は、聖の腕の中で気持ち良さそうに眠っている。

枕もとのデジタル時計はもう2時。
明日もライブがある。

「…まいったなあ」
聖は声に出してみた。

ベッドサイドの淡いオレンジの灯りの中、綺麗な寝顔にしばらく聖は見とれていた。


end.