―――― 聖は浅い眠りから目を覚ました。
意識を戻してしばらく、だるい頭で今の状況をようやく把握する。
隣には、掛け布団から裸の肩を出した同期の衣梨奈がいた。
すやすや眠っている。
『…しちゃったんだ』
枕もとの時計を見上げ、聖は2時間ほど前の事を思い出す。
一体なにがきっかけだったか。
ツアー先のホテルで相部屋となり、いつものように楽しく喋っていたら。
キスをしたことがあるか、という話題になった。
先輩の道重さゆみがリーダーの高橋愛にライブ中キスしていたことを、聖が『そういえば』と思い出して言ったのが
きっかけだった。
「えりはしたことないと。
聖は~?」
無邪気に尋ねる衣梨奈に、つい小さく吹き出してしまった。
それから思い出しても言葉では言い表せないような、妙としか表現しようのない雰囲気になり。
どちらからでもなく、唇を合わせてしまった。
『丸い目だなあ』
衣梨奈の顔を間近で見て、そんなことを思ってしまった。
唇を離したあと、聖が衣梨奈の鼻の頭をぺろっと舐めると、衣梨奈はくすぐったそうに笑い、目を細めた。
一度キスをすると箍が外れる。
聖は学んだ。
衣梨奈の細めた目に手を伸ばし、指で瞼に触れ。
衣梨奈が聖の頬に口づけし。
聖が深いキスを仕掛け。
そう繰り返してるうちに、自然と服を脱いでベッドの上に座り、長い間見つめ合っていた。
『まいったなあ』
一連の出来事を思い出し、聖は思った。
嫌いじゃないし、むしろ好きだけど、この子のこと。
『…しちゃってよかったのかな』
小さく溜息をつく。
隣の衣梨奈は、聖の腕の中で気持ち良さそうに眠っている。
枕もとのデジタル時計はもう2時。
明日もライブがある。
「…まいったなあ」
聖は声に出してみた。
ベッドサイドの淡いオレンジの灯りの中、綺麗な寝顔にしばらく聖は見とれていた。
end.
意識を戻してしばらく、だるい頭で今の状況をようやく把握する。
隣には、掛け布団から裸の肩を出した同期の衣梨奈がいた。
すやすや眠っている。
『…しちゃったんだ』
枕もとの時計を見上げ、聖は2時間ほど前の事を思い出す。
一体なにがきっかけだったか。
ツアー先のホテルで相部屋となり、いつものように楽しく喋っていたら。
キスをしたことがあるか、という話題になった。
先輩の道重さゆみがリーダーの高橋愛にライブ中キスしていたことを、聖が『そういえば』と思い出して言ったのが
きっかけだった。
「えりはしたことないと。
聖は~?」
無邪気に尋ねる衣梨奈に、つい小さく吹き出してしまった。
それから思い出しても言葉では言い表せないような、妙としか表現しようのない雰囲気になり。
どちらからでもなく、唇を合わせてしまった。
『丸い目だなあ』
衣梨奈の顔を間近で見て、そんなことを思ってしまった。
唇を離したあと、聖が衣梨奈の鼻の頭をぺろっと舐めると、衣梨奈はくすぐったそうに笑い、目を細めた。
一度キスをすると箍が外れる。
聖は学んだ。
衣梨奈の細めた目に手を伸ばし、指で瞼に触れ。
衣梨奈が聖の頬に口づけし。
聖が深いキスを仕掛け。
そう繰り返してるうちに、自然と服を脱いでベッドの上に座り、長い間見つめ合っていた。
『まいったなあ』
一連の出来事を思い出し、聖は思った。
嫌いじゃないし、むしろ好きだけど、この子のこと。
『…しちゃってよかったのかな』
小さく溜息をつく。
隣の衣梨奈は、聖の腕の中で気持ち良さそうに眠っている。
枕もとのデジタル時計はもう2時。
明日もライブがある。
「…まいったなあ」
聖は声に出してみた。
ベッドサイドの淡いオレンジの灯りの中、綺麗な寝顔にしばらく聖は見とれていた。
end.