
平家の武将・悪七兵衛景清(シテ)は源氏の栄える世を見ぬために、自ら目を潰して盲目の乞食となり、日向の勾当(こうとう)と名乗り暮らしていました。
そこへ娘、人丸(シテ連)が従者(脇連)を従え訪れます。景清は自分の娘であると知り驚きますが、乞食の身を恥じて他人のふりをします。
しかし里人(脇)のとりなしで、景清は娘と対面し、屋島の合戦での三保谷四郎との錣引きの武勇伝を語り聞かせますが、やがて時も過ぎ、涙ながらに別れを告げるのでした。
年老いて乞食に身を落とした景清は「麒麟も老いぬれば怒罵に劣る」と謡われるほど、惨めな姿となりました。
自ら両眼を潰すほどの強い意志、肉体は衰えても枯れ果てぬ気骨が横溢していますが、そこには将来への明るい光はなく、絶望的な状況があるだけです。
また今回は13年ぶりの再演です。亡父・菊生の十八番だった『景清』を思い出し、父の芸を真似ながら、私自身の景清が演じられたら・・・とも、思っております。

