喫茶去

徒然に、日々の生活を書き留めたいと思います。喫茶去、まあ、お茶でも飲んで、のんびりしていって。

「テオもうひとりのゴッホ」

2008-06-06 | 読後感

今日一日、本を読んで過ごした。
やっと、読み終わった。

画家ゴッホの弟テオの生涯に光を当てた初めての伝記。
テオは画商として、兄ゴッホの絵が売れるよう努力したり、
経済的にも、精神的にもゴッホを支え続けた。
ゴッホも手紙の中で「芸術家に金を提供することによって、
きみ自身が芸術作品を制作しているのだということ・・・・・・・」
「ぼくを介してきみもまた、確かな絵の制作にかかわってきたのだ」
また「ぼくらの絵」「ぼくらの作品」と何度も書いている。

1890年、ゴッホはピストル自殺をする。
テオはゴッホの絵を世に出そうと奔走するが、
ゴッホの後を追うように、半年後にこの世を去る。

テオの意志は妻のヨハンナや
息子ヴィンセント(ゴッホと同じ名前をつけられる)に引き継がれる。
ヨハンナは胸によみがえる夫への愛に突き動かされ、
ゴッホの作品が世に知られるように大きな展覧会を開いた。
ヴィンセントは所有する作品の大部分を
ゴッホの出身地オランダに譲渡。
それによって、画家ゴッホは自分の美術館を持った。
こうして、画家ゴッホの名声は世界的なものとなった。

本の帯の
「兄ヴィンセットは弟テオなくして、
画家ヴァン・ゴッホたりえたか?」
本を読み終えて、この答えは「NO!」

私はゴッホの迫力のある情熱的な絵が好きです。

ゴッホの絵を観るたびに、
ゴッホを支えた弟のテオや、
作品が世に知られるように努力したテオの妻や息子のことを
思い出さずにはいられないと思う。

「テオもうひとりのゴッホ」
著者:マリー=アンジェリーク・オザンヌ、フレデリック・ド・ジョード
訳者:伊勢英子、伊勢京子
出版社:平凡社


コメント
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