GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

「最後の送別食事会」(西心斎橋 ゆうの)

2012年04月27日 | Weblog
 ハードスケジュールだった25日は、素晴らしい一日だった。朝からホームコース堺CCでのラウンド。ゴルフ仲間のK氏とN氏、そして元職場の上司で数年前に退職された元常務のS氏をお誘いしての気兼ねのないゴルフ。堺CCは松・竹・梅の27ホールあり、前回息子と回った同じ竹・松。5月の月例は、竹・梅なのでその練習にもなる。月例と言えば、タイガースGCではハンデ19.7だったが、堺CCでは21に決まり、Cクラスとなった。
 息子が生まれた翌年からゴルフを始めので30年経ってハンデ21だから大変なヘタクソだが、考えようによって、今からハンデを上げていく余地がたくさんあるのではないか。人様より楽しめる余地が多いのは得したことにならないか。生来の楽天的性格はハンデ21を大歓迎した。この日の堺CCの天候は、風もなくメンバーにも恵まれていたが、スコアは52.49の101という不甲斐ない成績だった。しかし、そんなことは全然気にならないストレス0の楽しいゴルフだった。プレー後、温かい風呂に入って身体をほぐし、ソフトドリンクで乾杯し、元S氏とも再会を約束して別れた。

 時刻は16:30。この後の食事会は心斎橋大丸前に17:50に待ち合わせだった。自宅で着替える時間はなかった。そんなこともあろうと車の中に好きなスーツを入れておいた。長年の知恵が功を奏した。

 西心斎橋の大丸が契約している駐車場に車を止めて着替え、帽子もキャップからハットに変えた。ファッションは人生を豊かにする。これは私の持論の一つだ。そして、清潔感のない人に私は知性を感じない。これは私の哲学の一つだ。「知性・感性・野性の三拍子揃った男は滅多にいない!」は、数年前大ヒットした『冬のソナタ』で、唯一印象に残ったセリフだが大いに共感した。
 大丸前に着くと17:15。まだ待ち合わせ時間まで30分以上あった。この付近に来るとどうしても逢いたくなってしまう人がいる。高校の大先輩で、ギターの師匠、今や人生の恩人、大丸でメガネサロンを経営されているあいらんど氏だ。

 あいらんど氏が<あいらんど食事会>(私が勝手に命名)で、これから行く<ゆうの>に初めて連れて行ってくれたのだ。2011年05月21日の事だった。あんなに感動した料理は生涯で初めてだった。そして、約3ヶ月後の8月3日、連れ添いの誕生日に食べさせてあげたくて、柚野氏(ゆずの)(ゆうのという店名はここからきていると推察している)に電話を入れた。予約が一杯だったが、3日でなくては意味がないので、K氏の名前を出して、無理矢理2名分の席を確保した。その時の料理も前回同様に感動した。あの感動を10年以上も私を支えてくれた大切な主婦3名にどうしても食べて欲しかったのだ。

      

 食べ物商売をする人にとって、一度来店したお客様が大切な人を連れて、再度来店してくれることほど嬉しいことはないのではないだろうか。<ゆうの>が提供する料理は、私が今まで経験してきたすべての店舗、『デニーズ』・カウンターしゃぶしゃぶ『お箸の国』(この店は私が店舗設計から全メニューに至るまで私のすべてをつぎ込んだ店)・高級和食伊勢エビ料理店『水琴亭』・フレンチ&イタリンアン『ラコント』で、支配人として提供してきたどの料理よりも遙かにすぐれた超弩級の料理だ。(『お箸の国』・『水琴亭』・『ラコント』は残念ながらいずれも廃業し、現在は存在していない。)
 『お箸の国』は『水琴亭』への突然の異動で、後任がいけなかった。今でも残念に思っている。阪神本線の駅施設で、チェーン店として展開していくつもりだったからだ。すべて私一人の考案であり、全従業員も私が一人で教育した。本当に手作りの店だった。だから他人が後を継げるはずがなかったのだ。

    
                 <付け出し>                       <先付け>              
    
 <貝の皿に乗った刺身>         <蕩けそうな鯛とそーめんのお吸い物>

 おまかせコース:「わさび」一人前、9,500円 4名でドリンクなしで38,000円。いくら私の送別会でも時給900円足らずの主婦達にそんな金額は出して貰うわけにはいかない。かといってすべて私が出すでは50歳を過ぎた主婦達も当然納得しないはずだ。そこで私は予約した時点から、彼女達に「私がこんな高級店を選んだのだから20,000円は出させて欲しい。残りを3名で割って欲しい」と頼んでいた。

     
 <鯛の中に[鯛の鯛]を発見!>               <のどぐろの焼き物の中にも発見!>

    
 <4人分を発見!>  <これが茶碗蒸し?>            <メインはイチボのやわらか肉>

 素晴らしい食事会だった。あんなに素晴らしい食事会が、送別会の最後に待っていた幸せを、つくづく強運の持ち主だと思わずにはいられなかった。また、予想もしかなった高額の図書券までプレゼントして戴き、本当にうれしく思った! きっと20,000円のお返しだ。分かっていても突っ返すわけにはいかない。「好きな本をこれで買ってください!」と云われてはありがたく頂戴するしかなかった。

      
 <Nさんは肉が苦手、店主はエビと魚介類のメインを提供>  <炊きたての福島産コシヒカリ>

    
 <3名はお焦げをおかわり! 私はもう満腹>  <イチゴアイスにバルサミコミソース添えには驚愕!>

 店を出た時、「これから、毎年、いや2年に一度でも、このメンツで食事会を開きましょう!」と提案すると3人は即座に賛同してくれた。私は「あいらんど食事会」にならって「グッドラック食事会」と命名しましょうと伝えると、「ダメ!」とすぐに言い換えされた。3人ともかなりアルコールが入っていたが、食事中は乱れる様子やハデな言葉使いは一切なかった。酒は飲んでも酒に飲まれるような人たちではなかった。大人の中の大人の主婦達だった。でもこのときだけは別だった。名前は「ゆうちゃん食事会がいい!」と3名が云ってきかなかった。私は、もはや彼女達の上司でもなんでもなかった。まさしく彼女たちの同士・仲間だった。「必ずやりましょうね」と云われ「第一回は来年中に開催する」と約束した。

                       

 駐車場に4名で戻り、少し酔っていた彼女達を西宮市の自宅前までひとり一人送った。そして運転席を出て、彼女達ひとり一人としっかりハグして別れた。自宅前で見たこともないオッサンとハグする地元の主婦。彼女の知り合いが見ればおかしな噂が立つかもしれない光景だった。時間は23時前、人っけがないことを確かめたのはもちろんだった。私だけはノンアルコールだった。

 鳴尾浜ICから自宅に向かいながら胸が熱くなってきた。運転中だったので、目頭から溢れそうなものを止めるのに大変苦労した。最高の別れ方だったからだ。

 「いい別れ方」、これは以前、ブログの何処かで書いたが、私の哲学の一つだ。いい別れ方をするには日頃から誠実な接し方をしていなければ決してできないことだからだ。その自らの哲学を最後の職場まで貫くことができた。とてもうれしかった。そして、自分を褒めたかった。今夜の食事会は、人生で何度も経験できない至高の時となった。

 長い間、私を支えくれたSさん、Hさん、Nさん、本当にありがとうございました。
 心から感謝致します。
 
 そして、最後の送別会は、最高の食事会となった。    終わり!

 
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