児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

南の魔女はしらない

2023-03-11 | 物語 (電車で読める程度)
南の魔女がいる島から便りが届いた。

吹き抜ける潮風はどこか

髪は地を擂り、

穢れを纏った漆黒のローブは投げ捨てた

かつて子どもたちを守った魔法は

いまは己の首輪となり

日の出よりも前に這い出して

日の入りよりも深い帳にいた

太陽のような南の魔女はどこか

どなたか存じ上げないか

月のような南の魔女に

夜波の静けさを届けてくれないか


そこで便りは終わっていた。


【おわり】