Max爺のひとり言

日々の記録

進化について考える 2  キツネがペットになる

2015年12月16日 | 進化論

先日NHKで面白い番組をやっていた。

その内容はというと・・・犬の多様性、どうやってこんなに多種類の犬が生み出されたのか、というのがメインではあったが、犬、オオカミ、キツネの遺伝子の比較などを紹介していた。

オオカミ・・・というと、生息域によって、まさにオオカミのようであったり、ちょっとキツネじゃないかってのもいるみたいだな~と思っていた。

その番組の中で、ロシアにおける野生のキツネの飼育と研究についての紹介があって、これがなかなか面白かった。

もともとロシアでは、スターリンの時代から良質の毛皮を如何に得るか、という目的でのキツネ研究がなされていたようだ。

途中、キツネの研究は中断されたりしたそうだが、その後再開され、スターリン時代から研究に参画していた女性がその結果を詳細に記録していた。  ごめんなさい女性(博士)の名前は忘れてしまいました。

最初野生のキツネだけを集め、交配を重ねていって、どんな変化が現れるか、という種類の研究である。

野生のキツネは警戒心が強く、人が近づくと逃げようとしたり隠れたり、時にはかみついたりしていた。

そういったキツネのかなでも、餌を与えると人に近づいて来たり手を出しても咬みつかないものもいた。

そいういった性質を詳細に観察し、何段階かに分類し、餌を与えると近づいてくるもの、人が近づいても逃げ隠れしないもの、咬みつかないもの、を選別し交配を重ねていくと、いろいろな形質のキツネが生まれてくるのだった。

その間遺伝子操作などは一切していないのだが・・・

犬なみに人になつくキツネが生まれてくるのだった。  50世代も交配を重ねると、顔や体に白い模様を持つもの、銀色の毛並みを持つもの(銀ぎつね)、耳の垂れたもの、尾っぽが犬のように巻いたもの、などが生まれてきたそうだ。

現在の犬の祖先にはキツネは入っておらず、オオカミがその祖先だそうだが、野生から交配されたキツネは、もう犬と変わらないようななつきようなのだ。

ここで博士は・・・進化とは、遺伝子の変異によるだけではなく、環境の変化によっても起こり得る、ということを提唱している。  調査の結果、これらの新種のように見えるキツネたちの遺伝子構造には変化は起きていないということだ。  むしろ遺伝子の働き方に変化が起き、いろいろな形質に変化が現れる、ということのようなのだ。

これまで理解の糸口のなかった進化の一部が、なんとなく理解できたような気がする。

もちろん遺伝子に変異が起きると、進化に結びつくのだろうが、爬虫類が鳥に変化する過程で、どうして皮膚が羽に代わるのだろうか、的な部分がどうしても理解できなかったのだ。

遺伝子変異による物理的機能的な進化、環境による形質的な変化=進化、といったところまで理解がすすんだのかな・・・

この分野はおもしろいね・・・

 

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