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Max Satohの工作に関するブログ

工作はじめ 波動スピーカー(もどき)11 同相接続と逆相接続

2013年02月07日 | 共鳴胴スピーカー

今日、プロの師匠に携帯で電話して波動もどきの音を送ってみた。  携帯を通すと音質が変わるようで、ワンワンピーピー響くようだ。

アンプとスピーカーを逆相でつないでみたら?と言われて、えっ、それ何?

こういうことらしい。 

この共鳴胴スピーカーは、ボイド管の両端に同じスピーカーユニットが反対向きにくっついている。

この状態で、アンプからの赤黒配線をそれぞれのスピーカーユニットの赤黒につなぐのを同相接続、つまり、アンプの+はSPの+に、-は-につなぐ。   これが通常の接続方法。

逆相接続とは、片側のスピーカーユニットだけ、アンプの+をユニットの-に、アンプのーをユニットの+につなぐ。 片側だけ赤黒を交差させるわけだ。

同相、逆相の「位相」というのは物理学で言う、”周期運動での状態や位置”のこと。  

音波は空気の周期運動とされ一定の周波数・振幅でプラス、マイナスの間を振動する波形で表現されることが多い。  実際は、すピーカーのコーンが磁石で細かく振動して空気の密度(気圧)の濃い部分と薄い部分を作り出すことで音が発生する。  

正相の音波波形がプラスから立ち上がり、マイナスへと振動するとすると、逆相の音波波形はマイナスから立ち上がり、プラスへと振動する。  つまり波動が逆で上下対称の形となる。  スピーカーユニットの表と裏では、常にこの正相と逆相の音波が音を作り出している。

このスピーカーで、同相(正相)接続の場合は、両側で同じ音を出す際には、スピーカーのコーンの動きは、それぞれ単体では同じになるが、逆向きに対比しているので、コーンの動きは左右で逆向きになる。  コーンの後ろ側でも音が出ているから、筒の中では、コーンの表側とは逆相の同じ周波数の音波同志がぶつかっている、ということになる。 

一方、波の干渉・合成の考え方からすると、同じ位相、同じ高さの波は、ぶつかると合成されて2倍の高さの波になるという考え方もあるのではないかな?  どうやらこの考え方に分があるような気がする。  合成されて2倍になる音の波長は・・・ひょっとすると計算できるのかもしれない。  筒の長さと何か関係があるのかもしれない・・・ 都合の悪い音だけが筒の中で打ち消しあってくれればいいのにな~・・・

ステレオ録音については詳しくないが、左右のチャネルには一つの音源から出た音がそれぞれの距離にて録音されているのだろう。(ミキサーで調整した場合はどうなるか分からないが)  とすると、この両スピーカーの裏側からは、同じ(周波数の)音に関しては異なる強さ(音圧または振幅の大きさ)の波が合成される、と考えられる。 いずれにせよ、合成ということからすれば、位相がずれたりしなければ、もとの振幅よりは大きくなるはずだ。  これが筒の中で起こっている増幅効果ではないのかな。(あるいは減衰も起こる)  筒の中で、音波の反射などで、位相(開始時点)がずれたような場合、音波の合成は波形をずらした形で加算されるのではないか?  すると音は余韻をもつ、ないしは、音質を変化させるのではないか?

一方、逆相接続の場合は、片側のユニットの+-の電気的動きが逆になるから、スピーカーコーンの動き自体はユニット単体では夫々が逆向きになる。 ユニットが後ろ向きに向き合っているから、筒の中では、コーンは常に同じ向きに動くことになる。  左のコーンが右に動けば、右のコーンも右に動く。  

逆位相の同じ周波数・振幅の音波を加算(合成)すると、相殺されてゼロになる。  すると筒の中では、コーン表側とは逆相である音は消えるということになる。  録音上の強弱によって、差し引きの差があるとすると、その大きさの部分のみが筒の中に残されることになるのではないか?

これらの類推がどうも実際の試聴に符号するように思われる。

実際に逆相接続にして聞いてみた。  

確かに逆相接続にするとすっきりした澄んだ音で聞こえる。  きれいに聞こえる。  だが、余韻がなくなったような気がする。  スピーカーが一つになったように聞こえる・・・  こもった音は消えた。  胴鳴りは同相接続よりは少なくなったが、胴鳴りはしている。

同相接続だと、コーンの表側とは逆相の音波が、筒の中で、

*加算強調され、
*反響し穴から出てくる、
*筒を振動・共鳴させ共鳴胴としての音を出す
(どうやって不要な音を消すのかはまだ分からん)

これに筒の両側から、ユニットがそれぞれの本来の正相の音を外に向かって出している。  共鳴胴の穴と筒自体から出る音はユニットに対しては逆位相の音であるから、これらの影響ということも、あるいは問題になるのかもしれない。  

だた、ユニットからの正逆音波は、時間的に言えば、ほんの一瞬ずれている。  同じコーンの右左への動きで両者の音波は生成されているはずだから。  コーンの裏側の音波はさらに反響、共鳴胴による共鳴という時間的な”ズレ”を伴う訳だから、表側の音が音全体をリードし、裏側からの音は多少遅れて出てくる筈だ。  これらが人の耳に、”人間的時間間隔”、で聞こえてくる。  つまり時間の差などわからないが、響きのよい、深みのある、奥行のある、総合音として聞こえてくる。  

さらに、共鳴胴から出た全ての音が、部屋の壁・天井・床に反響して耳に入る。

たぶん、この現象が、コンサートホールでの聞こえ方、実際に楽器を演奏しているような聞こえ方、と似ているのだと思う。

だから波動スピーカー、波動スピーカーもどき、共鳴胴スピーカーでは、正相接続の方が聞こえ方が良いように思われる。

以上は、ワシが得た、高校生程度の知識と、ネットで読んだ数々の情報、プロの師匠から教わったこと、実際に共鳴胴スピーカーを聞いて得た経験、などを総合しての考察なので、正しいかどうかは分からない。

波動スピーカーもどきでこもった音に困っている方、逆相接続を一度試してみるといいかも。
聞いてみて、こちらの方が良いと思える接続方法が一番良いと思います。  ワシは同相接続が良いと思いました。

とにかく、この形式のスピーカーを発案し、製品化し、自作し、世に紹介してくれた先達に感謝の言葉を送りたい。  すばらしい音だ!

 

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