1、後見等監督とは
後見監督、保佐監督、補助監督(以下「後見等監督」といいます。)とは、家庭裁判所が、成年後見人等に対して、後見等事務を正しく行っているかどうかを確認し、問題点があれば、これを是正するよう指導監督することをいいます。家庭裁判所は、成年後見人等に対し、選任後一定期間ごとに照会書を発送したり、家裁調査官が面接して後見事務の状況について報告を求めます。成年後見人等には、本人の現状や財産及び収支の状況について、その裏付けとなる通帳や領収書類等のコピーを添付して家庭裁判所に報告していただきます。そのため、成年後見人等に選任された方は、日ごろから領収書や取引に関する書類をきちんと保管するとともに、収支の状況を把握しておく必要があります。財産目録や収支予定表等は、送付する書式に従って記入していただくことにより、作成しやすくなっています。
2、家庭裁判所の許可が必要な場合
成年後見人等が次ぎの行為をする場合は、事前に家庭裁判所の許可が必要となります。
(1)本人の居住用不動産について、売却、賃貸借、抵当権の設定等を
する場合⇒居住用不動産の処分許可の申立が必要です。
(2)例えば、本人と成年後見人等がいずれも相続人である場合に遺産
分割協議をしたり、成年後見人等が本人所有不動産を買い取る等
本人と成年後見人等との間において利益が相反する場合⇒特別代
理人選任の申立が必要です。
(3)成年後見人等が本人の財産から一定の報酬をもらう場合⇒報酬付
与の申立が必要です。
(4)このほかの場合でも、重要な財産を処分したり、その行為が本人
の利益となるかどうかが不安な場合は、事前に家庭裁判所にご相
談ください。 (つづく)