横尾美穂と声

シンガソングライター、ボイストレーナー、ゴスペルシンガー

横尾美穂の声と生活

尊敬する方へ

2013-01-30 21:41:54 | 日記・その他

長い日記です。ブログに載せる内容でないかもしれません。でも書いてみます。

今日は娘がスキー学習だったのですが、無事に帰ってきました。あたりまえのようだけど、その日が無事に終えれることは、感謝なことです。大きくなった娘、ありがたいのです。

あたりまえにいる存在が、明日はどうなるのか、自分がどうなるのかも、本当は誰もわかりません。私は、よく計画を立てるのが好きで、夢を見ながら想像しては、ムヒ・・・としてみたり、ふ~んと、不安になってみたりします。夢を見ること、計画を立てることが大切だと思いますが、計画に振り回されたり、不安に支配される生き方はしたくないと、思うのです。でも、やはり不安が襲ったり、心配したりします。小さいことも、大きなことも。

そんなときは、「明日のことは明日が心配する・・・」という聖書(新約マタイ6章)の言葉を思い出すようにしています。「風と共にさりぬ」(映画)にも同じようなセリフありますよね。

今日は、娘がスキーをして、息子が学校へ行っている間、私にゴスペルの指導者としてきっかけをつくってくださった方の送別会へ参列してきました。

先日、その方は天国へ召されました。

私がアメリカから帰国後に働いていた環境財団の理事長(先生)でした。ここでは、お名前は控えさせていただきます。とても著名な方だったので、会場には何百人もの方がいらしていました。

私の財団勤務は短い間でしたが、財団オープンスタッフだったので、濃厚な時間でした。なので、私は、今でも、オープンスタッフのみなさんを懐かしく思い出します。故人である、先生の経験・ご人格ゆえに、その存在感は大きく、環境に関する情報やいろいろな見方やアイデアを教えてもらい、出張先では美味しいものをご馳走になったり・・・・、本当に良くしていただきました。結婚式の最後の乾杯のスピーチも、花嫁衣裳でゴスペルの指揮をしていた私を見て「今日は、マフィヤの結婚式に来たかと思いましたよ・・・」と会場を笑わせてくださいました。

あらゆる分野とご自分の研究や保全活動をリンクさせ、斬新な発想とユニークな企画力をお持ちの方で、本当に尊敬しておりました。また、ちゃめっけたっぷりな言葉がけや、どんな世代からも愛されるご人格は、私みたいな青二才の緊張をほぐし、やる気と夢やアイデアを自由に出せる雰囲気をつくってくださっていました。

この10数年、私自身も子育てなど生活の変化で、不義理をしており、今回の報告は、後悔と残念な気持ちでいっぱいでした。どうしても最後にお別れをと思い、場違いと思いつつ、参列させていただきました。

会場でいただいた送別会のしおりに、私の目を引く言葉がありました。

<故人の好きだった言葉>

しかし、獣に問うてみよ、それはあなたに教える

空の鳥に問うてみよ、それはあなたに告げる

あるいは地の草や木に問うてみよ

彼らはあなたに教える

海の魚も、またあなたに示す

(旧約聖書 ヨブ記12章:7-8)

あれっ?先生は、もしかしてクリスチャンだったのかしら?

その後、会がはじまり、いたるところに、先生が信仰を持って歩まれていたことが話されいくのでした。

最後に挨拶された方のお話では、キリストの信仰をもちながら、その見地から、環境保全のことをとても自然に語られ、取り組まれていたと知りました。先生は、湿地の保全に取り組まれていたので、

「エデンの園、楽園(天国)にも川があるといいます。きっと湿地もあるでしょう。きっと先生は早速、今頃は、そこらを散策されていることでしょう・・・・」

という挨拶に、私もジーンと泣かずにはいられませんでした。あんなに泣いてしまって、隣の方はびっくりしていたことでしょう。

15年前、NHK文化講座のゴスペル講座の講師に推薦してくださったのは先生でした。

私は、その講座がきっかけで、ゴスペルを指導する、歌を指導する道へと導かれていったと思います。

その後、私は、家庭生活と歌の道を選び、退職させていただきましたが、やめる直前に、先生とOさん(お仕事でお世話になっていた方)が編集に携わっていたネイチャー雑誌に、オレゴンでの環境の取りくみについてのエッセイを書きなさい、と言われ、「去るものなのに、いいのでしょうか?」といいましたが、「そんなこといいから書きなさい」と言ってくださり、つたないながら書かせていただきました。

そのエッセイの肩書きには、ボイストレナー講師 横尾美穂としてくださいました。環境財団を去りちがう道へ行く私の最後の仕事のまとめと、次への新しい一歩への激励だったと、勝手な解釈ですが、私はそう思い、その雑誌は今でも大切にとっています。

今日、先生の人生、そして信仰者としての歩みを垣間見て感じたことは、神は、先生に環境(サンクチュアリ)を守りなさいという任務を与えられたんだと思いました。神が創造した、すべての生きるもの。神はその中に息吹をそそぎこまれ、人間は、他の生きもの、草花、野山、海や川をよく管理するもの(大切にしていき、守っていくもの)であると聖書は言っています。先生は、人生をかけ、そのお仕事を遂行したんだと思います。でも、先生は、「これが任務だ!」とか義務感の中でなるのではなく、先生は何よりも自然を愛していたから、先生が自然が好きだったら、その生き方だったんだと思います。植物を、鳥を、空を、川を・・・。

今日の送別会、行って良かったです。先生との出会いが、神がくださったものであったこと、強く感謝しました。先生の生き方から学びたいです。何事も楽しく、そして、人とのつながりを大切にし、自分の与えられた任務を任務と肩肘張らず、自分の好きなことを自然に、喜んでやり続けること・・・・。

オレゴンで出会ったゴスペルと、自然環境や環境保全の意識が、ナチュラルライフへの憧れが、今の私に影響を与えていることは言うまでもありません。また、子どもが授かり、日々の生活がいかに生かされているか、また家族とか友達のつながりの大切さ、生きることの難しさ、つらさ・・・、これらすべてが、きっと、わたしの歌の世界観をつくっている。そして、何より、私は声をだして、歌うことが好き。

先生が作ってくれた歌という道。ゴスペルを伝える道。大切にしたい。

先生の、「どうせやるなら楽しいほうがいいよ!高橋(旧姓)」という声が聞こえます。

先生、ありがとう。天国でお会いできる日を楽しみにしています。

美穂


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。