つれづれの記

日々の生活での印象

和装の袴  その1

2012年10月27日 21時35分05秒 | 日記

2012年10月27日(土) 和装の袴 その1

 

 

 趣味の、尺八の演奏の時に身につける和装について、当ブログで、これまで、

     和装の帯   (2012/10/19)

     和装の着物  (2012/10/24)

 

と触れて来たところだが、最も厄介な、袴(はかま)について、今回は、その1として、着方について述べて見たい。

 

 自分が小さい頃は、着物は普通に使われていて、卒業式や結婚式などの御祝い事では、袴姿も、良く見かけたものだ。

最初に袴を履いたのは、自分の結婚式の時で、ワイフKの和装の花嫁衣装に合わせたのだが、日本の伝統文化を大事にしたかった、こともあっただろうか。

 自分用の袴を作って貰ったのは、それからかなり後になって、尺八の演奏で、社中の一員として出演するようになってからであるが、でも、かれこれ、20年位にはなるだろうか。袴を新調した時は、社中としての色柄やデザインは決まっていて、寸法だけなので、至って簡単であった。

自分用の袴が初めて出来上がった時は、どのように使うのか、先輩方にあれこれ教えて貰いながら、結構、苦労して覚えたものだ。

 袴とセットで着る紋付は、当初は、父親が以前に使っていたものを暫く愛用したのだが、年季が来て、御役目御苦労さんとなり、こちらも、10年程前に、新調している。

 

 改めて調べて見ると、袴には、構造的に、幾つかの種類があるようだ。

通常の袴は、襠有袴(まちありはかま)と言われるようだ。 内側に、中央を左右に仕切る、襠(まち)と呼ばれるものが入っていて、左右の足を、それぞれ、別々に入れるようになっている。自分が日頃使うのは、これである。

 他の袴には、主に女性用で、襠がなく、左右が分れていないスカート風の行燈袴(あんどんばかま)や、半ズボンの様に、かなり上まで左右に分れている乗馬用の、馬乗袴(うまのりはかま)もあるようだ。

更に、モンペ状になっていて、くるぶしの上辺りで締まっている、野袴もあるようだ。

 

 

袴の各部には、ネットから借用した下図のように、名前が付いているようだ。(袴 - 行灯袴の各部名称(男子) - Yahoo!百科事典)。 

  

  袴には、前後があるが、当初は、どちらが前でどちらが後ろか、困惑したものだ。ズボンの様に、前が開くようになっていて、ボタンやチャックで締める、のなら分りやすいのだがーー。 でも、図にあるように、硬く出来ている台形の腰板(後ろ板とも)が目印で、これの付いている方が後ろになる。

更に、前には幾つもの襞(ひだ)があるが、後ろは、中央に一つ襞があるだけである。又、紐の長さが、前紐はかなり長く、後ろ紐は短い。 

 

 

 いよいよ、帯を締めた着物の上に袴を付ける。袴の付け方については、ネットにもいろいろ出ているので、詳細は省略するが、以下に出て来る写真は、自分がモデルでは格好が悪いので、ネットから借用している(男のきもの指南/「男の着物」の世界にようこそ!) 

 前、後ろ、どちらから先に着けるかで、以前は、時々、間違えたものだ。前から先に着けるが、この 前を付ける時が、重要だ。袴の左右の仕切りに、それぞれ足を入れて、帯の上から袴を付け、長い紐を後ろに廻して、帯の結び目の上で覆うように交差させて、再び前に持ってくる。 紐の位置を、最初よりも下に間を空けて締め、再度、後ろに回す。この時、身体の形に馴染むように、一方の紐(通常は右)を折るのがポイント。 

 最後の後ろで結ぶ作業は、後ろ手になるのでやりづらい。 緩まない様に押さえながら、結ぶのだが、ついつい紐が緩んでしまう。ここでのノウハウ、「紐は、一重でなく、二重にしてから結ぶと、かなりしっかりする」、を知ったのは大分後になってからである。結び目は、脱ぎやすいように、出来れば蝶結びにする。最近は、この様にすることで、緩みが少なく、長時間袴を着けていても平気になった。

 下図は、ネットの上記サイトから借用したもので、前紐を、後ろで結んだ所であるが、図では、帯結びの上で、紐が交差している様子も見える。  

  前紐の結び 完成

 

 次は、袴の、後ろ部分の処理だ。丈夫な糸で腰板に付いている、通称ヘラ(ベラ・へら とも。袴留めとも言う)と呼ぶ平べったい板を、着物と帯の間に挟み込む。

  ヘラ

 このヘラの重要な役目として、自分の理解では、袴の後ろ側の重量を支えていると言えるようだ。これがあることで、極論すれば、後ろ紐を締め無くても、袴がずり落ちてこないのだ。勿論、後ろ紐にも袴を帯の上に固定する役目はあるのだが、必ずしもきっちりと結ぶ必要はなく、後述の、仕上げの前飾りを、綺麗に作る等の余裕ができることとなる。

 

 腰板をしっかり当てて、帯の結び目を覆った後、後ろ紐を前に持ってきて、最後の仕上げに入る。

 左右の後ろ紐を、先に結んだ前紐の下をくぐらせる。 そして、上になっている一方を折り上げて、何重もの横方向の飾りを作り、他方で縦方向に巻きつける。最後に、縦横の十文字に整える。紐の最後は、折り返しの形になるように長さを調整することがポイントになる。 

上述のようなヘラの役割で、後ろ紐をしっかり結ばなくても大丈夫なことが納得できてからは、通常の結び目は作らない、この方法に変えている。 

  後ろ紐で十文字飾りを作り完成 

 少し前までは、途中で、緩んだり、ずり落ちるのが気になって、後ろ紐も、前紐の下を通した後、先ず、前で普通に結んでしっかり締め、その後、十文字飾りを作っていた。この方法にする人もいるが、でも、この方法では、結び目の形が良くなく、やや大きくなり、紐にかなりの皺が出来るのが、不満になる。 

 

 

 袴を着けた姿で、外を歩く事は殆ど無く、大抵は建物内の狭い範囲なのだが、幾つかの、注意点がある。

 袴を付けた時に、困るのはトイレに行った時である。小の場合、袴には、ズボンの様な出口が無いので、裾を両手で捲り上げて、やや、不格好にはなるが、濡れない様にしながら用を足せるので、問題はない。

 でも、大を催した時は、大変なこととなる。襠があるので、片側から尻を出すのはかなり難しく、結局、袴を脱ぐしかないのだ。場合によっては、帯の結び直しからの、完全なやり直しとなるので、大の方は、袴の着用前に、済ませておくことが肝心だ。

 

 もう一つ要注意なのは、歩行である。袴の裾と床との間の隙間は、余り無いので、平らな所でも、うっかり袴の裾を踏んづけると、前のめりになる危険がある。

 特に、階段を上がる時は、要注意で、この場合は、袴で、階段が良く見えなくなることもあり、予め両手で袴の裾をしっかり持ち上げるようにして、足で踏みつける事が無いようにしながら、階段を上がる事となる。降りる時も、気を許さず、足先が良く見えるように注意する必要がある。

 

 時たまにしか着ない着物や袴には、余り慣れていないことから、結構、神経を使うことが多いものだ。

 

余談:へら は、日常的には、平べったい小道具等として、今も良く使われている。ご飯を盛りつける道具は、しゃもじ、おしゃもじ、などと呼  ぶが、田舎では、へら と呼んでいた。漢字では、箆という、見慣れない文字になる。

 袴用のヘラは、前出の写真の様に小さなものだが、ネットで見ると、200円程度で買えるものはプラスチック製だが、8000円もする方は、今や、自然保護の観点から、ワシントン条約で規制されている、天然の象牙製である。歴史的には、木製や竹製のヘラもあったと思われる。


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