「紅葉」
仕事帰りに俺は、陽子ともみじ並木をゆっくりと歩いていた。
「なに、さっきから黙ってるのよ」
陽子が不思議そうに話し掛けた。
「悪かったな。考えごとしている顔に見えなくて……」
「なんだ。弘でも考えごとするんだ。でっ、何考えてたの?」
「俺の中に入って来るなよ」
俺は、そう思いながらも面倒臭そうに答えた。
「俺たちが大学卒業して、新しいスタート切ってから半年が経つだろ。みんなどうしてるかなって思ってさ」
「そりゃあ、初めは覚えることが多くて大変だったろうけど、もう大分慣れてきてるところじゃないのかな。私らと同じ様に……」
「私らって、陽子は何で俺と同じ会社を選んだんだ?中学も高校も大学も同じだったよな」
「弘が好きだからよ。なーんてね」
俺は、思わず足を止めて息を呑んだ。
「なに硬直してるのよ!私のこと嫌い」
陽子は何度も問い掛けた。頭の中で、色々な思い出がスライドショーの様に思い出された。
陽子がしつこく聞くので、ぶっきらぼうにこう言い放った。
「いいか。九州男児は、好きかと聞かれて、簡単に好きとは言わないんだよ。空気で察しろ!」
と、……。
俺の頬が、紅葉したもみじの様に赤くなったのを感じた。
完
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「いいか。九州男児は、好きかと聞かれて、
簡単に好きとは言わないんだよ。空気で察しろ!」
この言葉・・・昔 自分が使ったのかな!?
弘君の頬が紅葉色にドンドン染まっていく姿も
良く見えるわぁ♪ポッチ(* ̄ー ̄)σσ