真っ白な原稿の上で、俺は爪を切った。

漫画家 施川ユウキのブログ

トゥモロー・ワールド(おまけ)

2006年11月26日 04時09分36秒 | Weblog
映画の感想を書く時、ネタバレに気を使いたくないから「ネタバレあり」って
一応明示するんだけど、それでいて観た人には何の必要も無い無駄なあらすじ的部分も、
何も考えずに書いている事に気付いた。
無意識的に、読み手の立場を「ネタバレを気にしない未見の人」と想定していたらしい。
自分はネタバレをかなり気にする人間なので、我ながら勝手だなと思った。
ただ「ネタバレ無し」で書く場合も、全く内容に触れない訳にはいかないし、
どこまで書いて良いのか線引きは難しい。


という訳で「トゥモロー・ワールド」ネタバレ無しで。
この映画、面白かったんですけど観る人を選ぶ作品でもあります。
傾向を言えば「宇宙戦争」に似ている。
始終主人公にだけフォーカスを当てて、事態の全体像が最後まで掴めない一人称的技法、
長回しやドキュメントタッチのカメラワークを効果的に使った演出、
無力で平凡な男性が、父性を発揮して
「守るべき人」を必死でガードしながら目的地へと向かうという物語設定、
SFでありながらサイエンスに重きを置いてない脚本等々、
「宇宙戦争っぽいなあ」と思いながらずっと観ていた。
ただ向こうはスピルバーグ的悪ノリが少々鼻についたけど、
こっちは何やら深く静かに訴えかけてくる物を感じた。神話的というか。
鹿見ても、草履見ても、何かの記号なのではとあれこれ想像させられる。
終わり方も、可能性という「希望そのもの」を提示しているだけで
ハリウッド的な大団円では決してない。

…ネタバレ無しでレビュー書くのは中々難しい。

で、ちょっと他のレビューが気になってヤフーユーザーレビューを
チラッと読んだら、かなり否定的な意見が多くて意外だった。
しかも理由に説明不足を挙げている人が結構いて、
それが演出として許容されていないようだ。
この映画っていわゆる「コレが理解できる俺は映画分かってる」ってタイプの
難解な作品ではないんだけど、一般向けでもないので
誰に勧めたら良いかが難しいかもしれない。
とりあえず「宇宙戦争」が面白かった人は楽しめると思う。
派手なCGは無いけど。

そう言えば、映画紹介ページを担当してる編集者の人に
「これ『宇宙戦争』に似てますね」って言ったら
「え、どこが?!」と驚かれた。
こっちこそ驚いた。



トゥモロー・ワールド

2006年11月25日 01時18分22秒 | Weblog
Youtubeで「Gears of War 」のデモを見てから
XBOX360が気になって仕方が無いんだが、
こんな見せ方の映画だった。

トゥモロー・ワールド


(以下、思いっきりネタバレありなので、未見の人は観てから読むのをお勧めします)


この映画で主人公セオは、徹頭徹尾
TPS/FPS系ゲームのようなカメラワークで追われ続ける。
街、農場、アジト、戦場、各ステージで彼が切り抜けていく様を、
観客はすぐ隣にいるような感覚で延々と目撃させられる。
この臨場感と緊張感は、子供の頃ゲーセンでワンコインクリアしようとしてる人を、
後ろから覗き込んで没入していた感覚に近い。しかもかなり難易度の高いゲームだ。
セオは武器を持たない。ひたすら敵から逃げながら各ステージのゴールへと向かう。
産気づいた妊婦を守りながら。
その上途中で妊婦は出産し赤子連れになって、更に難易度が増す。
そんな緊迫した状況が終わりまでずっと続いていく。
映画は、彼等がトゥモロー号という船に辿りついた所で終わる。
終わるのはセオが死んだからで、死んでいなければ
更に難易度の高いステージとして、船上での状況が展開していったのかもしれない。
「母子を船まで届ける役目を終えたため退場する」という、
運命的で必然的な死に方をセオはするのだが、
「ひょっとしたら途中でゲームオーバーになってしまったのでは」とも思わせる
ゲーム的リアリティを、エピローグの無い終わり方も含め全編から感じられる、
そんな映画だった。



プラダを着た悪魔

2006年11月23日 19時22分53秒 | Weblog
急に、毒にも薬にもならないどうでも良い映画を観たくなって一人で見てきた。

プラダを着た悪魔

オシャレに興味の無い主人公アンディが、
ファッション誌「ランウェイ」のカリスマ編集長ミランダのアシスタントになり、
奮闘しながら成長していく話。

ターゲットとして想定している若い女性の願望を充足させられる、
よくあるご都合主義映画のひとつなんだけど、
一箇所だけその願望充足ぶりに唖然とさせられるシークエンスがあった。

(以下ネタバレあり)
少しずつ成長していき、遂には先輩アシスタントのエミリーを押しのけて
パリ行きのアシに抜擢されるまでなったアンディ。
パリ行きはエミリーの夢でもあったため中々その事を彼女に打ち明けられないのだが、
その電話の最中にいきなりエミリーが車に轢かれて入院する。
物語上、この事故を入れる必要性はまるで無い。
単に、「アンディが悪者にならずにエミリーにパリ行きを断念させる」ためだけに
彼女は車に轢かれている。
「私がエミリーより優位に立った上で、彼女に恨まれたくないし悪者になりたくないから、
彼女車に轢かれて死なない程度に怪我してくれないかな」
という悪魔的な願望をサラッと実現させている。
アンディに感情移入して観ていた多くの観客は、
エミリーが轢かれた瞬間ホッとしただろう。そう演出されている。
僕は、ホッとした瞬間戦慄した。
それが潜在的な願望であった事に無自覚なアンディと我々観客こそが、
プラダを着た悪魔なのかもしれない。
僕はたまたまユニクロでしたけど。


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グッスミン

2006年11月21日 11時26分27秒 | Weblog
思うにグッスミンという商品名は、
「グッスリ」と「睡眠」を掛け合わせて名付けたものではないのだろうか。
同じような意味を持つ単語を掛け合わせる必要があるのかと甚だ疑問ではあったのだが、
二つ合わせる事でより強力な効果を期待させてるのだろうと勝手に納得していた。
しかし、こう考える事もできる。

「グッスリ」とも「睡眠」とも言い切っていない。

「睡眠」に関しては「ミン」或いは「スミン」としか言ってない。
そもそも「グッス眠」ではなく「グッスミン」だ。
ビタミンのミンかもしれない。むしろそっちの方が自然だ。
「ミン」を「眠」だと思ったのは、
「グッスリ」からイメージを引っ張ってくる巧みなミスリードの結果だろう。
ここで大きな疑惑が頭をもたげてくる。

「グッスミンに、ぐっすり眠れる効果がある」なんて、
単なる僕の勘違いなのではないだろうか。

そして疑惑は確信に変わる。

http://kenbisouken.lion.co.jp/gussumin/index2.htm
公式サイト

驚いた。
「すっきり、爽快」としか言っていない。
「ぐっすり眠れる」とか、どこにも一言も書いてないじゃないか。
商品名やパッケージデザインから匂わせるイメージだけで
こっちが勝手にそう思い込んでいただけだ。
なるほど。
「おはようからおやすみまで暮らしを見つめるライオン」
飽くまで「おやすみまで」で、「おやすみの後」は関知しないという訳か。

↑コレを言いたいが為に長々と書いてきましたが、
実際飲んで寝たらかなり寝覚めが良かったので、
(プラシーボ効果かもしれないけど)
たまに飲んでます。




間違い電話

2006年11月20日 00時47分20秒 | Weblog
声から察するに、小学校低学年くらいの女の子から間違い電話がかかってきた。

相手「もしもし、もこちゃんですか?」
僕「え?も…もこちゃん?」
相手「もーこーちゃーん!!(その声はもこちゃん!的な)」
僕「えと、…間違い電話ですよ」
相手「あ、…はい。ガチャ」

…といった内容だったんだけど、
「もーこーちゃーん!!(その声はもこちゃん!的な)」
↑ここが謎だ。
僕は年相応のハスキーボイスをしてるんだが、
もこちゃんって一体何者なんだろう?


告知
11月27日発売のビジネスジャンプ増刊
4ページの読み切り「おもんばかれ!大人くん」が載ります。
珍しく主役的キャラが大人(30歳)の男なので描いてて新鮮でした。
30前後の同世代の人に是非読んでもらいたいです。
(多分10代にはピンとこないと思う)