晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

小樽都通り

2007-07-10 20:51:26 | Weblog
 小樽都通り、マイカルが出来た頃は、閑古鳥が鳴いたが、最近少し活気が戻って来た様に感じます。

 

 情況論ノート第11回

 1980年代以降、国民経済としての日本の資本蓄積体制が「グローバル化」を進化させた。

 製造業における生産のグローバル化は、国内資本蓄積体制のサービス経済化と以下のような関係がある。

 1.製造業における海外直接投資の増加は、需要面から国内サービス産業の投資と雇用に悪影響を与えている。

 2.製造業大企業が先導する国内でのリストラと海外への工場移転は、’93年以降のサービス経済化を支えるメカニズムを機能不全に陥らせている。

3.製造業の中核となる機械3産業(一般、電気、輸送機械)寡占企業の「組織能力」に翳りが見られる。

 従って、日本の資本蓄積体制の再構築には、製造業における技術開発戦略と新たな組織能力の再構築が不可欠である。



 日本における金融業のグローバル化の特徴は、以下のとおりである。

 1.国内貯蓄のほとんどが国内で投資され、グローバル資本市場のイメージとはかけ離れた状態にある。

 2.日本の金融市場はグローバル金融市場に自ら組み入れてきたが、日銀は金融政策の自立性を失っていない。

 3.日本は、1980年代に対外投資を増大させ、米、英に次いで、金融覇権国の一角を占めたが、同時に国際金融システムを不安定化させる要因にもなっている。

 4.’97年のタイにおける東アジア通貨・金融危機の過程で発表された<アジア通貨基金>構想は、アメリカの圧力で頓挫したが、円の国際化、アジア化のためには、政治面での日本の戦争責任の明確化が必要である。

 5.今後の国際金融危機の火種は、米国の経常収支赤字とそれを支える資本の流入の限度(反転)である。



 『「グローバル化」と日本の資本蓄積体制』芳賀健一による。 



 ヨーロッパは、EUという地域共同体を作り上げた。アジア通貨基金構想は、経済共同体から構築するという発想だったが、米国の干渉で頓挫した。

 しかし、長期的に考えれば、必ずアジアにおいても、中国や韓国が中心となって再び共同体構想が浮上するであろう。

 今、この国は、アジアでイニシアティブを執る道を選ぶか、米国の腰巾着を続けるかの岐路に立っているのである。


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2 コメント

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アメリカの犬 (生住滅)
2007-07-11 06:04:20
アジアの地域共同体は、日本の生き残り策のひとつで、国内にも動きがあります。
米国従属を国是としているかぎり、アジアの地域共同体を日本が壊すか、参加しないと考えます。
そして、米国とともに日本は衰退に向かっていくことでしょう。

晴走雨読氏が書かれているように、日本は「岐路」に立っていると言えます。

かつてのパーレビ国王、今燃えているムシャラフ大統領は、ムスリムにとって「アメリカの犬」と呼ばれますが、混迷している日本の政治は、「アメリカの犬」だらけ?米国を手玉に取る政治家の出現が望まれますが ・ ・ ・



グローバル化は、古くて新しい「資本」と「労働」の問題に尽きると考えています。
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矮小化 (晴走雨読)
2007-07-12 19:31:42
 生住滅さん、コメントありがとうございます。

 私の持論は、選挙で世の中変わるわけが無い、ですが、多少この参議選に関心を向けると、いつの間にか「年金」が争点にすりかわってしまった。

 ここに至っても、大きな声の出せない総理は、教育基本法改訂、憲法改定のための国民投票法成立と「戦後レジームの変革」を掲げて、米国の属国として戦争のできる国家づくりを着々と進めている事実がある。

 これを、正面から問うことなく、単なる長年のだらしない事務処理の問題にすぎない「年金」や、どうでもいい事務所の家賃など(政党助成法で税金を投入しているが)に選挙の争点がずらされている。

 この国の、「岐路」を問うべき選挙であるが、岐路の「選択肢」がないのではないか。

 

 
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