タカシのB級グルメ日記

2024高知市納涼花火大会

小説「足摺岬」

2012-02-13 23:00:21 | 知のグルメ

NEX-5+VOIGTLANDER NOKTON CLASSIC 40mm F1.4+UV
(F5.6 1/30秒 ISO-320 露出補正+0.3 WB/AUTO)

今年も「椿まつり」の開催日に足摺岬に行って参りました。
ご覧の如く、満開ではありませんが次の週末はマイカーがドック入りするので、今日しか来られません。
今朝は3時に起床できたので、出発は3時40分、第三十八番札所蹉陀山補陀洛院金剛福寺着は6時8分でした。
全く飛ばして無いですが、土佐久礼まで高速道路が延伸したのが時間短縮の理由と思われます。
天気快晴なれど、無風につき、夜明けと共に、灯台基では鶯の初鳴きも聞こえる、静かな朝でした。

帰りに思い立って田宮虎彦著「足摺岬」を金高堂朝倉BCで買い求め、初読。
文庫本の頁にしてたった36頁の短い私小説ながら、不要な文言を完璧にそぎ落としたかに見える才気溢れる
作家の秀作と感じました。その生きた時代背景から決して、名声に恵まれたとは申せませんが、女流作家の
宝庫である高知県にして、数少ない男性の天才作家が居たことはもう少し、認知されてもと思います。
この小説は昭和24年10月雑誌『人間』に発表、昭和29年、新藤兼人脚本で映画化された為
内容は更に暗く,悲劇的なものへ、変えられていますが、少なくとも「自殺」を美化するものでは無く
「生きることへの希望」を失っていません。

主人公である「私」が恰好の死場所を探して嵐のなか、岬の絶壁でたじろぎ、病を再発させ宿に戻り
同宿の薬売りや,老遍路、女主人に介抱されながらも、未だ死への未練を残しながら病に伏せっている折
老遍路が、ぽつんといった言葉が印象に残ります。
「のう、おぬし、生きることは辛いことじゃが、生きておる方がなんぼよいことか」

昨今の足摺岬には「一寸まて」という立て看板も目立たぬほど
「自殺の名所」などという汚名挽回がなされております。

 

 



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1 コメント

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組写真 (太美吉)
2012-02-14 18:42:43

組写真、勉強になります。

削ぎ落とした文 あこがれです。
新藤兼人監督、専門学校の時のシナリオ講師でした~
もう1作是非撮って頂きたいです。
椿の季節は、蜜を吸うのが楽しみでした~^^
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